銀輪日報

本と自転車旅とB級グルメ

初冬の追懐

ふと手に取った、自転車で世界一周に7年半を費やしたという旅行記を一気読み。誰もが一度は夢見る世界旅行を自転車で成し遂げた、自転車乗りの僕からすると非常に羨ましい限りなのだが、非日常を日常として過ごす日々での慣れや飽き、迷いも表現されていた

 

情報過多の現代で、世界は未知にあふれているという。実際にそこに行き、この目で見るまではフロンティアだと言い切る。その好奇心や探求心、感性を大切に持ち続けたいと思った

 

体力、行動力、無鉄砲さのある若いときにこそ長旅や放浪、冒険をしておくべきだ。僕にはそんな旅には縁がなかったし、これからもないだろう。時々現実逃避的に想うような憧れのままで終わってしまった

 

優しく降り注ぐお天道様の光のもと落葉積もる初冬の公園のベンチに一人腰掛け、トップバリュ仕入れてきたお惣菜のハンバーガー片手に低所得者向け節税偽麦酒のキング缶のプルタブをプシュッと引いた

 

冴えない人生だけれども、遠い昔、上海・マニラ・香港・クアラルンプールと11年半に渡って暮らしたこともあった。北米や欧州はホントあと一歩のところでやっぱり手からこぼれ落ちていった。まぁでも当たらずといえどもファールチップくらいにはかすったんじゃないか?ポンコツなオレなりに頑張ったんじゃないの?と今日は機嫌よく褒めてあげよう

 

300円の入場料で敷居が高く、なんとなくいままで行けていなかった徳川園をようやく訪問。俺様専用行ったことあるぜマップに新しい印をつけた。手の届く範囲でこれからも週末の小さな旅や冒険を続けるのだ

 

 

 

 

 

 

ガチの輪行自転車輪行旅にはTrans Alpine 30で決まりだね!

先月の関西輪行旅で気づいたのだが10年使ってきたSpider30の生地がすり減ってきてそろそろ限界。角の部分とか向こうが透けて見えてきてちょっとセクシイ。後継機種としてメルカリでTrans Alpine30をゲットしたよ

 

自転車用リュックが3つになった。真ん中はスパイダー、大分色抜けてしまったね

Shimano R-16

Deuter Spider 30

Deuter Trans Alpine 30

それぞれ一長一短まとめてみた

 

 

自転車旅で荷物が一番増えるのはやっぱ冬場。単純にレイヤリングが増えるし、特にアウターがかさばる。出だしは寒いけどゼイゼイいいながら必死のヒルクライムとかになったら結局、Tシャツ、短パンになっちゃうよね。邪魔なアウターはリュックにぶち込むしかない。輪行先の冬場のヒルクライム、この状態が一番荷物が多いはず。この想定をもとに収納力を確認してみた

 

2泊3日を想定しヒルクライム中のリュックに入っている荷物。リュックに付けるLEDテールライト、適当なポーチに入れたツールバッグ、輪行袋、ホイールバッグ、買い物用エコバッグと小物ポーチ(携帯充電器、モバイルバッテリー、イヤホン、ティッシュ、爪切り、絆創膏とか)、水を入れておく予備の水筒、歯磨き・入浴セット、文庫本と双眼鏡、これはいらんといえばいらんのだが・・・。裾バンド、サングラス、写真撮影用にスタンド代わりの木の棒、一番下に、ウインドブレーカー、コットンシャツ、アンダーウェア(パンツ、Tシャツ、靴下2枚ずつ、とハンドタオル1をコットンバッグにまとめたもの。帽子、カーゴパンツと迷彩柄ジャケット

 

 

これを詰め込んでみたよ

スパイダー30だとパッツンパッツン。余裕なし

 

トランスアルパイン30だと同じものを同じように入れても上部に余裕あり。このスキマに行動食やお土産が入れられるね。パッツンパッツンはファスナーが壊れたり、いつかリュックの生地が破れそうで気を使うし、その分収納に時間がかかるのでこちらのほうがいいよね

 

ドイターのリュックは2気室で使えるのが特徴で輪行には下段を輪行バッグとツールなどを収納しておくといい感じだね

 

 

A4ノートPCを入れてみたらやっぱりトランスアルパインのほうが大きい

 

ただ大きい分自重あり。スペック比較してみよう

スパイダー30 D48060 H49xW31xD21 870g マイクロリップナイロン210D

トランスアルパイン30 D32229 H53xW34xD24 1230g バリスティック420D

 

生地はトランスアルパインのほうが丈夫な感じがする。ペラペラの210Dナイロン素材で10年持ったのだから多分それ以上の耐久性はありそうだ

 

ちなみにShimano R16は 540gと軽量。16リットル。夏場の日帰り~1泊輪行サイズだが、冬場は荷物が入り切らないためお休み中。とはいえ30リットルのバッグは夏場の日帰り輪行にはオーバースペック。2つを使い回すのがいいのかな

 


背負った感じはトランスアルパインに一票。サイクリング向けバッグだけあってぴかイチだわ。スパイダーも悪くないんだけど汎用性重視のためガチンコ勝負では負けるな。あとヘルメットホルダーもバッチリ。輪行時やヒルクライムでヘルメットを脱いだときにしっかり固定ができる。バンジーコードだと固定が緩くて結局プラプラしてること多い

 

ただ自転車用以外での使い勝手はスパイダーの勝ち。軽量性とバンジーコードのかっこよさと荷物の出し入れの容易さと、軽さ、重量差360gは缶ジュース1本分の差。長時間背負うとなると大きいよね。その分トランスアルパインは生地が丈夫そうなんだけどね

 

スパイダーは、電車通勤と海外出張でのPCバッグと機内の手回り品入れに最適で使ってきたんだけどやっぱり週末サイクリングとかハイキング行った後とか汚れたりするし、汗臭くなってるんじゃないかと気になったりもするし、平日と休日に使うリュックは分けた方がいいと結局通勤、ビジネス用はコールマンのウォーカー33を買ってしまった

 

¥6,600と値段の差はあるが今から一つだけ選べるとするとやっぱりトランスアルパインがおすすめだ

 

スパイダー25 ¥11,000

 

トランスアルパイン30  ¥17,600

 

 

いまのやつは10年使って生地が摩耗してきたよ。角擦れっていうみたい。革をあてて補修する方法があるみたいだけど、業者に頼むと3000円~って感じ、ナイロン素材の経年劣化もあるだろうしそこまでの残存価値はないな。これからはタウンユースのみにしようっと。気が向いたら補修に挑戦してみよう

 




 

 

 

SS2-Isegami Tunnel & 上矢作風力発電所風の森展望台

電光標識には冬タイヤの装着の注意。いやーすっかり晩秋だ。気温6度。R153信州街道で奥三河を目指す。この時期の大人気アトラクション、紅葉の香嵐渓てまえ2キロから渋滞発生。まだ7時過ぎだぜ。この時間から近隣の駐車場は満車。すごいな。ちょうど紅葉真っ盛りでございました。せっかくなのでちょっと散策して出発

 

 

R153を東上。ステキな里山風景の割に相変わらず交通量多め。集落ごとに旧道があるのに気づき、バイパス化している飯田街道を外れ丁寧にたどってみる。たまたま見つけた大鷲院の山門に魅せられる。訪れるものもなく、俺様専用。ぶっちゃけインスタ映えの観光地の香嵐渓よりステキな感じがする。ワビサビってやつ?

 

 

オフィシャルビデオゲームを買うくらいにはヲタだけど、先週世界ラリー選手権会場となった伊世賀美隧道を通ってみる。レース中霧が出たり、車が燃えたりゲキヤバ心霊スポットとして恐れられたんだって。ただだいたいどこのトンネルもその地域のゲキヤバ心霊スポットと呼ばれるし全然怖くねえ。ホントのゲキヤバトンネルは途中で曲がっていて出口が見えなく漆黒のトンネル。平衡感覚がマジ狂う。伊世賀美隧道は出口は見えないものの照明があり楽勝な部類だ

 

 

www.motorsport.com

 

13000円もするチケットがすぐ売り切れになった大人気イベントだったが、道端で目と鼻の先を景気よく土埃を巻き上げかっ飛んでいくラリーカーを観戦したり、ひっくり返った車を大喜びで起こしに行くことなんてできるわけでなく仕切られた安全エリアでお行儀よく観戦しなきゃなんないみたい。5000円くらいだったらいいけど、数年様子見しよう

 

全然活気のないけど、昔はそれなりの街だったんだろうなぁと面影の残る稲武商店街をぬけ、ピーカンの空に紅葉美しく映える名倉川沿いに下り基調のR257をドローンの町、上矢作町まで快走する。このルートいいわ

 

11時過ぎにたまごや喫茶らんらんにピットイン。おすすめメニューのオムライスで、ポパイなるものを注文。トーゼン大盛り。オムライスにほうれん草とベーコンのクリームソースをかけたものだ。サービスで提供されたゆで卵2個を手持ち無沙汰に食べたあと、このクリームソースは重たい。お腹いっぱいで食後のコーヒーが注文できない。やっべ、この後メインイベントのヒルクライムなんだけど動けねーとか思いながら、ぽかぽかのテラス席でウダウダした。

 

上矢作の集落をぬけ、ヒルクライムに取り付く。スペックは13キロで獲得標高900m。好みのタイプの1.5車線林道で、しかも行き止まりのピストン林道だから余計な交通量なし。ステキ。序盤からグイグイ高度を上げていく仕様。Tシャツ短パンでゼイゼイいいながら自転車を漕ぐことに集中する。食べ過ぎのオムライス消化しつつヒルクライムって負担かかるなぁ

 

暗井沢という名前だけに最初は眺望なし。高度800メートルを越えてくると、羽田~西日本航路を飛ぶジェット機の騒音が遠く聞こえてくる。だんだんと木々の間から青空が見えてきた。これ稜線が近い。のぼったなぁ。上矢作風力発電所は13機の風車からなる発電所で出力9.2Kw。原発の110分の1。映画のような風景は非常にステキなんだが、環境負荷的にどうよ、グレタさん?とやや疑義が生じだ。ちょっと気になって調べてみたらこのヒルクライムでの俺様の生み出した出力は300W。原発の330万分の1。偉そうなこと言ってゴメン。そんでもなんだかんだで風の森展望台からの眺めはサイコー。遠く猿投山が見えるし、先月行った愛知最高峰茶臼山と萩太郎山も見える。1080°の展望。また来ようっと

 

 

全レイヤー着込み下りの準備。二輪車殺しの斜めに切られた溝にしかもグレーチングない箇所が3つくらいあったから慎重に下る。上矢作から岩村の町まで登り返す。あつくなってレイヤリング調整。メンドクセ。これって言ったもん勝ちじゃないと思う農村景観日本一の岩村の町からは恵那駅までゴキゲンルートなのだが、路面にグレービング処理されており走りにくい。ヤメテ。しかもトンネル3つ。下り基調だったから良かったけど、上りは無理ゲー

 

もう何回か使っている恵那駅到着。快速名古屋行きに乗り込んだ。良い一日でございました。夕暮れの車窓を眺めながら、今日のライドで中山道・東濃エリアの攻略は一通りできたかな?と充実感を覚えた。今後のテーマの一つとしてRail&Bikeでも秘境な奥三河・南信エリアの攻略を進めよう

 

www.youtube.com

www.rally-maps.com

 

 

 

 

関西四都市自転車旅

デイ・ワン 11/4(金) 天王山を制してみたが
 
 
京都駅08:45出発準備完了。気温15度。今回、市内観光はスルー。ただ折角久しぶりにオノボリしたので一ヶ所だけと清水寺詣で。表参道の三年坂は早くもオーヴァーツーリズム。南蛮人、和服で可愛く着飾ったシァオジエ、後はわいわい練り歩く修学旅行生がわんさか。お店の人たちもてんてこ舞いだ。みんな楽しんでくれよと何故か上から目線でやさしく見守った
 

紅葉が美しい境内から京都市街が見渡せる。わお、ゼッケー!ジス・イズ・キオト。ビュウチホゥ
 

 
鴨川河川敷の散策路を機嫌良く流す。アオサギコサギマガモ、ドバトを観察。いうほどカモおらへん。強いて言うなら俺様が一番のカモネギ
 
その後はキオトの街を御池通りで右から左へガーッと駆け抜けるコース設定だが、都市計画が古すぎて意外と走りにくい。クソ狭い道にトラックやらダンプ、バス、タクシー、宅配便が競うように混走。しかも余裕で路駐あったりデスゾーン。碁盤の目の交差点毎に信号に引っかかりストップアンドゴーのノロノロ運転。なんかみんなピリピリして怖い。また自転車通行制限エリアがあり警察官に自転車降りてください!と怒られたりサイクリストにはわりと厳しい街だ。いまはどこの街も公式サイクリングマップを作ったり、サイクルラックや、空気入れを設置してチャリンコ推しなのだが京都はゼッテー違う。オノボリの皆様は、邪魔だから歩いて観光させてあげますねということなのだ。この交通事情じゃしょうがないよね
 
意外と時間がかかってしまったが早めの昼飯にはちょうどよい時間だ。俺の知っている唯一の京料理、天下一品ラーメン太秦店にピットイン。11:30には満席の人気店だ。はやっ。やっぱ京都の皆様方におかれましても人気のソウルフードなんだろうな。テーブル席でうら若き制服姿の女子高生2人組も仲良く美味しそうにその味を堪能されている。結構なことでございます。つうかお前らガッコーはどうした?
 
推しの野菜炒め定食を注文。野菜炒めは定番の味。もやし、キャベツ、ニラと豚バラをオイスターソースで炒めた定番の味。うまっ。今度自分でつくろう。看板メニューのこってりラーメンは安定の美味しさ。ごちそうさまでしたと合掌
 
渡月橋で少し休憩、ベンチに座って、ぽかぽか陽気にきれいな紅葉、ごった返す観光客を優しく眺める。持ってきた文庫本を広げてみるとなんかのんびり感、楽しんでる感あっていいもんだぜ
 

 
此処から先はサイクリングロードをかっ飛ばして大阪の街へ向かうだけ。渡月橋の先に京都府道801号、京都八幡木津自転車線が簡単に見つかる。専用サイクリングロード。きれいな多摩サイってな感じですれ違うローディの皆様へも気持ちよく挨拶しながらちょーゴキゲンにマッハ4で流す。このペースで進むとあまりにも早く到着してしまう。ちょっともったいねえ。本日のサブアトラクション、天王山を制し、天下にお伺いを立てよう。大山崎(おおやまざき)の町で無事、天下分け目の天王山登山口を発見、取り付く。平日なのにわりとハイキング客多め。
 

旗立松展望台からは、それなりのゼッケーだが周りの木が邪魔して視界狭め。説明板には山崎の戦いは地峡である大山崎の淀川沿いが主戦場だ。尾張の英雄織田信長公をクーデターで殺害したクサレの明智光秀、臨時軍事政権は岡山から猛ダッシュで引き返してくる豊臣秀吉公をここで迎え撃つ算段。京都からチャリで走ってくると迎え撃つならたしかにここだよねって感じ。わかるわ。ぶっちゃけ標高270.4メートルの山頂で幼稚園児達が楽しそうに遊んでいる天王山はおまけ程度で勝敗の帰趨にはどーでも良かったんだって。天王山はたまたま山崎の戦いの近くにあったから有名になれたというのが実情みたい。無事に山頂を踏んで一時間強のハイキングをコンプリート。明智光秀は政権奪取後、13日間で志半ばで敗死したんだって、ヒトラー最後の13日間って映画よろしく、アケチ最後の13日間って自転車旅組めるかな?今度調べてみようっと
 

大山崎からは北河内自転車道経由で憧れの大阪の街を目指す。河川管理道路・災害用の緊急道路を兼ねたサイクリングロードはチョー快適なのですが、自転車をいちいち降りて押さないと抜けられないメンドクサイ自転車ドメが点在。ペースが乱れる。ピーカンの青空のもと淡々と漕ぎ続けブラックバス釣り客が多い淀川を一気に下る。
 

 
16:54。陽の落ちるのが早くなりましたなぁと毛馬閘門で美しい夕日に向かって合掌。ここからは大川沿いに大阪の中心部まで大阪吹田自転車道線をたどる。公園をとおる遊歩道でなかなか景色いいな。大阪って水の街だね
 

 
ライトアップがきれいな中之島公園を散策、ウェディング姿の女性が写真を取っているのが絵になりますね。彼女の人生で一番幸せかつお綺麗なシーンなんだろうなあ。と、ぼーっと眺めた
アパヴィラホテル淀屋橋へチェックイン。2泊で11000円くらい。前日に予約したのだが、前日の朝の時点で2泊で7000円強だったが、ま、後で予約しようと夜見返したら11000円に値上がりしていた!相変わらずミスった。休日でも需要と供給によってダイナミックプライシングで値段が変わるんだね。多分空き室の残数で値段を再設定するアルゴリズムなのかな?ま、勉強になりました。イイ!と思った時に予約をキメないといかんのだな。全国旅行割が適用され、おおさかPAYのクーポン4000ポイントゲット。専用の駐輪場はなかったが、メルカリでゲットしたポンコツクロスバイクの真骨頂。そのへんの目立たんところにさり気なく地球ロックかけとけば大丈夫。手間ひまかけて盗んでバラしてヤフオクにだすほどリセールバリューはないし、酔っ払いのちょっと家まで借りるわ。という乗り捨てパクり需要さえ回避できれば無問題。こういうとき気楽だね
 
メシに行く前に大浴場でゆっくり、さっぱり。いや~気持ちよか。アパホテルは、顧客満足度は高くなるし、お金のかかる水回りの劣化を防ぎ、保守が楽になるということで個室のクソ狭いユニットバスよりも大浴場を設置して使ってもらうという方針なんだって。賛成!
 
晩飯はモダン焼きなるものを食べに行く。お好み焼きに焼きそばを載せたものだ。シグニチャーニューのいか・エビ・ぶた・牛肉全部のせの風月焼きを発注。調子に乗ってスーパードライ生大とお代わりにアサヒの黒生ビールをいただく。クーポンって使ってなんぼの世界なのでつい気が大きくなってしまうね。第三のビールとか、発泡酒と違って久しぶりに飲むモノホンのビールはうめえわ!
 

 
 
デイ・ツー 11/5(土) 六甲山を踏み自転車を知る
 
早朝5時過ぎ、近くのすき家でTKGをいただく。納豆たまごかけご飯朝食を注文したのだが、白飯に合わせるのがたまご、納豆、味付け海苔と豪華かつなかなか忙しいメニューだ。阪神線に乗るため大阪梅田駅へ向かう。入り口がどこかわからずまちがえてJR大阪駅へ迷い込んだりして20分ほどロス。どこ?
 
なんとか地下へ向かう入り口を発見し無事乗車。兵庫・大阪県境の武庫川駅着。サイクリングロードを北上し宝塚の町へ。宝塚からは逆瀬川から六甲山を目指す兵庫県道16号明石神戸宝塚線に取り付く。交通量が多くクソ狭い直登路。ただローディ多めでみち間違っていないことがわかる。高級住宅街らしく標高を上げるに連れて家や車のグレードが上がっていく。なんか日本人同士でフランス語喋ってそうな雰囲気。ここでも支配階級は下々のモノを見下す暮らしなんだな。
 

西宮カントリークラブを過ぎたあたりでバイパスとの分岐をすぎると一気にステキなヒルクライムに変わる。たのしー!10時過ぎに標高933メートルの六甲山山頂を踏む。天気良くゼッケーだぜい!そういえばと思って調べてみたら箱根峠846メートルより高いんだね。俺よう頑張った。自分を褒めてあげた
 

神戸の街までビャーって下ると北野の洋館街へ出た。予定はしていなかったがおっ!と思いつきで散策してみる。いやーここでもお金持ちは下々を見下ろして暮らしているんだね。やっぱり君たちもフランス語話者?
 
昼メシをくおうと思って定食屋調べておいたのだが全然見つからん。グーグルマップって都市部はきついな。ふらっと迷い込んだ中華街は芋洗い状態。お店には順番待ちの行列だ。屋台でなんか買って食べ歩きしたいと思ったが駐輪場がないし街の景観維持のためか地球ロックのお供のガードレールもなくチャリが邪魔でギブアップ。メリケンパークは青空のもとの~んびりとした雰囲気。ベンチに座ってぼんやりとクルーズ船の出港を眺めた。有名なBE KOBEのモニュメントで記念写真かと思ったが順番待ちで並んでるし、そもそも意味わからんのでやーんぴ。その大人気アトラクションからわずか30メートル。誰も気に留めない閑古鳥鳴く一見モアイ像?に見える神戸海援隊のモニュメントで記念写真、その方が俺にあってるよね
 

 
いやー、横浜の関内とか山下公園と同じ雰囲気だよね~。港町って感じ。でふと気づいたが、こんな観光地で俺様の求めるB級グルメなんてあるわけねぇ。いままで自転車で関内とか山下公園行って飯食ったことあるか?ねえよな。つうわけで昼飯パス。三ノ宮駅まで戻りリンコー
 
大阪南部の堺市駅着。チャリを組み立て、駅前の「あほや」でぺちゃ焼きなるものをいただく。たこ焼きの材料にもちを入れてペッチャンコにして焼くからぺちゃ焼きなんだって。注文したらボール状にまるめた材料を3つ、ワッフルメーカーみたいなヤツに挟んで焼いている。よう考えるわ。マヨとソースをかけて味はたこ焼きみたい。昼飯食いそびれた俺にはモチの腹持ちが良さそうでいい感じだった
 
駅からチャリで10分弱で本日のメインアトラクション第2部のシマノ自転車博物館へ。まずは5分ほどの映像をみる。ドイツのドライス男爵が開発したドライジーネ(1817)が自転車の始祖なんだって、いまでいうちびっこが自転車の練習がてら乗るキックバイクだ。その後1861年にフランスのミショー親子が前輪にペダルを直付けしたベロシペードを発明。1870年代には昔のクラシック自転車をイメージするとでてくる前輪がバカでかいオーディナリーがイギリスで発売。前輪を大きくすることによってスピードが出せてベストセラーだったんだって。しかし前輪が大きすぎてやっぱあぶねー。そのためペダルをまわす力をチェーンとギアで前輪を駆動させることで前輪が小さくてもオーディナリーと同じスピードがだぜるカンガルー号が1887年イギリスで発表された。同時期、チェーンで後輪を駆動するセーフティ自転車も開発された。前輪が小さく後輪が大きい。足がつきやすいので安全だというのがウリ。そして1889年に乗り心地改善のために車輪にゴムを貼り、前後の車輪の大きさを同じにし、ちゃんとブレーキもついているセーフティ自転車が発表され、これが自転車の原型になった。出来上がったモノをあとから見ると何じゃ簡単じゃんと思えるがそこまで突き詰められるまでには色々試行錯誤があったんだなぁ。
 

 
あとは世界一周した自転車とか、自転車がところ狭し並んでいるけど解説がないし、コンテンツ少なめでなんか物足りない。オレはヲタだからまぁ幸せだったけど、大阪市内から電車で30分かけて訪れるにはビミョーな感じ。せっかくのシマノの企業博物館なんだからユーザーのヲタ向けにギアの技術的な解説とかが欲しかったよね。まぁこういうもの一人旅だから思うままにじっくり楽しめるけどチャリにまったく興味のない嫁さん連れでいったりするとお互いつまらない思いをしそうだ。やっぱ一人旅サイコー!
 
またリンコーで大阪駅までワープ。17時前にホテルに戻って大浴場でさっぱり。連泊にして良かったよ
 
多分今回を逃すと一生行くことがないと思った「なんばグランド花月」へ。御堂筋をチャリで南に行けばなんとなくわかった。駐輪場は周辺に何箇所かありチャリンコをとめ、一升瓶のプラスチックケースに座るなんかいい感じのジャンボ酒場へ。オススメの本場大阪もっちり太麺のソース焼きそばのオムそばと唐揚げ、生大ビールと角ハイボールを頂戴する。オムそばは焼きそばをオムレツでくるみマヨソース鰹節で味付けしたもの、うまいけど飽きてきた。名古屋は味噌がベースだけど、大阪ってマヨソース鰹節が味付けの基本だね。おもろいわ
 
そして「なんばグランド花月」へ今日は満席だ。予約しておいてよかったよ。皆がするように入り口や本日の公演内容の掲示を写真に取って着席。前半一時間は漫才。面白い。テレビて見るよりいい雰囲気。これがライブ感ってやつ?来てみてよかったよ。休憩をはさみ、後半は吉本新喜劇。これが全然つまらん。でも周りの観客の皆様はいちいち繰り出されるわざとらしいギャグに大ウケ、なんか笑いのツボが違うのかな。わざわざお金払って見に来る人達だからね。さっきのシマノ自転車博物館と本質は一緒だね。ヲタにはたのしいけれど、基本興味のないニワカにはビミョーということだ
 

 

いやー成功も失敗も何事も経験だ。今後テレビで見るたびに、オレ、行ったことあるんだぜと思い出せる良い経験でした
 
 
デイ・スリー 11/6(日) 暗越奈良街道酷道308号を越え日本最古の道へ
 
 
近鉄奈良線枚岡駅からその筋のマニア雑誌には必ず出てくる憧れの暗(くらがり)峠に取り付く。いきなし激坂の証、ポアルージュ加工された坂道がお出迎え。すぐに諦めて自転車を押して登った。いままで攻略できなかった激坂はなかったけどこれにはまいった。ぜんぜん攻略できそうにないよ。ログ解析してみると2.7キロで386メートルの獲得標高。平均9.2%、最高23.9%のキングオブ激坂。ほとんどハイキング。ふと振り返ってみると生駒山地の影から大阪の街が朝日に包まれはじめて美しい光景が広がっていた。いやー、敗退してはじめて気がつく景色ってあるんだね。必死こいて登っていたらゼッテー分からなかった。これからも、負け戦でも腐らずそこから見れる景色を探して楽しもうっと
 

 
早朝にも関わらずハイキング客や山岳ランナーとご挨拶、こんなとこ走ろうなんて本当に尊敬するよね。途中、松尾芭蕉先輩の句碑があった。「菊の香にくらがり登る節句かな」色んなとこ旅してる人だね。そしてチャリンコのりには有名なインスタ映えスポットで記念撮影。自転車ではゼッテー無理ゲーな場所。頂上手前で「もう少しだから頑張ってね」とまさかの手入れの悪そうななんちゃってルックMTBのりの一見普通のおっちゃんがギアをギシギシいわせ駆け抜けていった。すげー信じらんね。やっぱ自転車ってエンジンが大切なんだな。奈良県境の峠付近は石畳。こんなみち車でも走りたくないわ。峠の下りは霞ががった奈良盆地が広がるなかなかの景色をビャーって駆け下りた
 
ここ南生駒駅からズルしてサクッと奈良までリンコー。今回は積極的にリンコーを活用して美味しいとこだけ走るのも旅のテーマだ。まずは景気づけに奈良観光しとこうと東大寺南大門を訪問した。奈良名物、鹿せんべい200円が売っていたのでせっかくだから体験してみようとおばちゃんに「これ僕も食べれます?」と聞いてみたら、「コロナだしやめといてー」といわれた。10枚ほどの薄いせんべいが紙の紐で束ねられている。さて鹿さんに一枚ずつあげて美味しく食べてくださいねというやさしい気持ちでいたら、いきなり周りの鹿が集まってきて襲われた。おまえら落ち着け!ガブガブ噛みついてきておっかないので地面に放り投げて終了。その間5秒。その後は知らんぷり。おまえら全然可愛くねえ。しかしこれだけ食欲旺盛なのに数メートル離れたおばちゃんの屋台に売り物として積んである鹿せんべいは襲わないのな。お前ら屋台のおばちゃんとまとめてグルだろ?やっぱオレってカモネギ?初日の鴨川がフラッシュバックした
 
そして本日のメインコンテンツ。案内板には、山の辺の道は史実に残る我が国最古の道なんだって。山の裾を縫うように奈良盆地南部の桜井市まで設定されている。あぜ道、シングルトレイル、藪こぎ、石畳、階段、境内、墓地を抜ける全長27キロの里山ウォーキングルートだった。チャリで行こうというのがそもそもの間違い。しかし、ロードバイクMTBのいいとこ取りのハイブリッド・クロスバイクの真骨頂発揮できるルートでもある。今朝越えてきた生駒山地奈良盆地がよく見える癒やしの道。前半の奈良~天理はハイキング客ほとんどおらず俺様専用。ただ道標がわかりにくく結構ロストして距離の割には時間がかかる。ここでも芭蕉先輩の句碑が。曰く「うち山やとざましらずの花ざかり」ちょっと意味わかんね
 

 
ちょうど中間地点に天理スタミナラーメン本店があったので補給ポイントに設定しておいた。11:30過ぎには駐車場待ちが発生する人気店だ。当店おすすめのスタミナラーメン大盛りを券売機で購入。バカでかい器に入ったラーメンが運ばれてきた。具は白菜、ニラ、豚肉、ひき肉、人参の炒め物に鷹の爪の入った醤油ベースの辛スープ。よくあるスタミナラーメンの設定だ。なんか物足りないぜと思っていたら名古屋名物ベトコンラーメンとカブっている。ニンニクの粒、ニラ、もやし、豚肉、ひき肉、醤油ベースの辛スープ。ベトコンラーメンの方がうまいよなと思った。提供されたときは食べきれるかなと思ったほど器は大きいけど量はそんなもんでスープも残さず完食。盛り付けプレゼンテーション上手だな
 
 
後半戦スタート。天理~桜井の山の辺の道。里山風景広がるのんびり感あふれる人気コースで御夫婦、御家族、御友人や恋人同士でガイドブック片手にのんびり散策する人が多い。途中には崇神天皇(紀元前97~30年)、景行天皇(71~130年)の前方後円墳がある。いまでは木が生い茂っていて単なる小山にしかみえない。おじいちゃんと孫のお墓を隣同士にならべるには無駄にでかいよね。太古の昔からご苦労さんって感じ。休憩していると、この旅で挨拶して驚かれるリアクションがめんどくさくなってきたので、「電車に乗って、奈良から自転車で走ってます!」というセリフに落ち着いた。ここだけではないが「電車に乗って、」という枕詞がないと自転車で走ってきてきたと思われる。おまえ自転車乗りなら名古屋から自走で来いよな、って感じだ。なんか申し訳ない。実はズルしてリンコーしまくってるんだけど説明がめんどくさい。
 

 

ゴールの仏教伝来の地のモニュメント着。ざっくり前半・後半それぞれ2時間半。って感じかな。いい里山ライドでございました
 
朝は7度で激寒だったが暗峠の押しで半袖Tシャツとランパンになったまま走り抜けた日だった。駅のトイレで帰りの身支度を整えた。今回のレイヤリングはTシャツ、綿100%のサファリシャツ。そして英軍御用達コンバットジャケットの3枚。地図を確認するためのケータイがさっと出し入れできる胸ポケットがチョー便利。ボトムは色あせでしばらく履いていなかったノーティカの6ポケットカーゴパンツ。シューレースベルト、腰回りと裾に織り込まれたドローコードをキュッと締めるといい感じだがストリート系で若干ガラ悪るめ。オラオラ系ミニバンに乗りあおり運転でドライブレコーダー映像を放送されてしまうイキったオッサンみたいだ。まぁでもチャリには乗りやすいし、若干威圧感はあるが街に出られる服装。またコンパクトに畳めて30リットルのドイターのリュックに輪行+2泊分の宿泊セット+わざわざ持ってきたけど半分ほどしか読めなかった文庫本と双眼鏡。今回使わなかったウィンドシェルとともにパツンパツンでなんとか収まる。これ重要。これ以上大きいリュックは重すぎて自転車旅には厳しいな
 
桜井からは名古屋まで近鉄線。いい機会なので伊勢中川からの特急券を買ってみた。リンコーで特急が使えるかどうかのお試し乗車だ。15:13発の近鉄大阪線急行・五十鈴川行乗車、定番の運転席の後ろには非常用設備がありチャリ置けない。まじかよ。ただ空いていたので1両目の後ろのトイレ前のスペースにチャリを置けた。特急なんか使わずこのままこれでもいいかなと思ったが、五十鈴川ってどこ?
 
予定通り伊勢中川で近鉄名古屋線の特急へ乗り換え。狭くてチャリ置くスペースなし、狭いデッキのドアはバスのようにまさかの内開き。サイテーだぜ。検札に来た車掌Aからは、次の駅はこちら側のドアが開くからじゃまにならんようにな。と注意を受ける。申し訳ない気持ちで名古屋まで行くしかねえな。目論見失敗。ましょうがないか。同じ狭いデッキにいた駆け込み乗車の恋人たちに、オレ座れないから一席しかないけど6Cの席座ってください。と申し出たけどご遠慮された。
 

 
次の「津」駅で車掌が変わり、また検札に来た。できるタイプの車掌さんBは、検察時に座らないのと聞かれて、「チャリあるから立っていきます」というと、運転台の隣の立ち入りスペースに自転車置いていいよって言ってくれた。やった、2人掛けの予約座席に座れた。ラッキーなことに隣は小柄な女性で幅ゆったり、レッグスペースもゆったり、座席はフカフカで特急っていいな。暮れゆく鈴鹿山脈の稜線を眺めながら旅の思い出に耽った。名古屋駅では皆降りるのを待って狭いスペースからゴソゴソチャリを引っ張り出していると、もうすぐドア閉まりまーすと車内放送が。ギリ脱出成功。近鉄線はリンコー無理ゲーだな。少なくともトッキューはあかん。やめとこ
 
調子に乗ってせっかくだから地下鉄輪行も試してみたらなんと東山線名古屋駅からいきなり座れた。18時過ぎのピークタイムでご迷惑をおかけするかと思ったら意外と空いており立っている人はほとんどいない。これは帰りが遅くなるときは使えるかもね
 
残りの人生の価値観・行動規範を「本と(自転車)旅と映画・音楽、そして時々B級グルメ」と再定義している自分がお好きなように仕立てた一人旅ってサイコーだね。シマノ自転車博物館の見学ルートの最後の展示を思い出した「自転車とは、自分の力で思うがままに進み、行きたい場所へ好きなペースで行ける限りなく自由な乗り物だ」
 

 
 
 
 
旅のアルバムーシマノ自転車博物館
 

ドライジーネ号(独・1817)今で言うキックバイク

ベロシペード号(仏・1861)はじめてペダルが装備された

オーディナリー号(英・1870頃)大きい前輪でスピードが出せた

 

カンガルー号(英・1887)チェーンとギアで前輪が小さくてもオーディナリーと同じスピードが出せた。ペダル1回転で車輪が1.5回転

セーフティ自転車(英・1885頃)前輪が小さく足つき性が良くなった。チェーン駆動で後輪が駆動輪になった

セーフティ自転車(英・1889)前後の車輪がほぼ同じ。車輪にゴムを張り乗り心地向上。ブレーキもついている。自転車の原型が完成した

 

 

 

景行天皇 山邊道上陵









 

 

飛騨街道・地蔵峠でカリマンタンの夢を見た

木曽谷を走る松本行きワンマン電車で江戸から六十九里、京から六十七里の木曽福島駅を下車。中山道福島宿の街並みはそれなりに雰囲気が残っているが宿場町は飽きてきたので自転車でスルー。温泉でも出りゃ、いい観光地になりそうなんだけどな。街を抜け黒川沿いを遡上する。R361はステキなワインディングロードで走りやすく調子に乗っていたら曲がり角を間違えて行き過ぎた。30分ほどロス。ま、こういう事あるよね。
 

 
 
新開の集落まで戻り飛騨街道西通りに取り付く。やったー!大好物の1.5車線の峠道。当然俺様専用。ピーカンの青空に紅葉が美しい。まさに映え!キング・オブ・峠道。標高1338mの地蔵峠には1728年に建立されたというお地蔵様が鎮座されている。超素敵な峠だ
 



 
 
峠で一休みしダウンヒルに備える。本日のレイヤリングは4枚。アンダーはコットン100%のTシャツとスタンドカラーに改造したサファリシャツ。ミドルとボトムウェアはポリエステル100%のジャージ。アウターは、ナイロン100%のウインドシェルという冬季装備だ。思ったより寒いので4枚全部着込む。後が無い。相変わらず崖っぷち
 

 
 
 数百メートル先の地蔵峠展望台からは、どど~んと御嶽山が青空に映える。尾張から拝み奉る御嶽山は富士山のようなきれいな独立峰に見えるのだが、ここからは峰がいくつもある横長の山容だ
 

 
 
あれっ?ここ初めてでないようなデジャヴ感。脳内を高速インデックス検索してみると思い出した。カリマンタン島最高峰のキナバル山にクリソツだ!2012年に4095mのその頂を踏んだころが僕の人生のピークだったな。いやー、こんなところで思い出すとは思わなかった。
 

 
ちょっと早いけど開田高原の集落でランチ。事前に調べておいたあいばし亭で農家風オムライスを注文。もう一品注文しようかと思うほどちっせ。とはいえコンビニはないし、ほかは蕎麦屋ばかりだし仕方ないね。
 
 

 
ライドを再開。ゼッケーの高原道路が続くが、天気晴朗なれども北西風冷たし。寒すぎて出力が上がらない。さっき温度計見たら9度。これなんかの罰ゲーム?最近基礎代謝が落ちたか普段も寒いんだよね。レイヤリング再考しよう。
 

 
標高1350mの国境の長嶺峠を超えると飛騨国だ。ちょっと下ると分岐。人生は選択の連続だ。ほんとは登り返して下呂市営露天風呂濁河温泉に行こうかと思ったけど500m標高あげなきゃなんねぇよ。気温が3度下がっちゃう。風呂なんか入ったらダウンヒルでハイポサーミア決定だよ。あっさり放棄。飛騨ぶり街道を高山の街まで50km進んでゴールとしよう
美しい飛騨川流れ沿いに下っていく。スノーシェッドとか秘境感あるよね。楽しいけど寒い。途中高根乗鞍湖から野麦峠方面を望む。この山域はいい感じだよね。ホントは道路崩落で抜けられないんだけど特に交通情報なし。
その先はトンネル地獄、交通量少なく下り基調だからいいけど、おっかねー。期待した乗鞍岳は全く拝めず。途中、高山市街とR41への分岐。街まで行くのダルいからどこかの駅にぶつかるだろうと適当にR41を選択
目論見通り線路沿いに駅発見!駅到着後まずは時刻表を確認次の電車は15:14発。それを逃すと2時間待ちぼうけ。腕時計を見ると15:07。ゼッテー乗る!ソッコー輪行準備して架線橋を走り抜けぎりちょんセーフ!最近輪行が続いているから手際が良くなったよ。現在の輪行スキルはプロマックスだな。
非電化単線の高山線を2両編成のキハ25形気動車はブォーンとディーゼルエンジンの出力を上げて加速する。乗客は部活帰りの高校生と、スマホと時刻表片手の乗り鉄。この時代に時刻表って売ってるんだね。ちょっとかっけー。飛騨川沿いの渓谷をガタゴト走る汽車にゆられてこういうのもありだよねと思いながら車窓を楽しんだ
 

そういえば、キナバル山行ように買ったんだよなと10年来使って相応にエージングされた独ドイター社謹製の30リットルのリュックサックからパワーエサとお手製ミルクティーを取り出した。完全ピークアウトして落ちぶれた僕でも標高3067mの御嶽山はその気になれば踏めるだろう。バケットリストに加えておこうっと
 
旅のアルバム




 
 
 

Maps.meでサイクリングの巻(ほぼ決定版2022版)

2021.11.17→2022.10.27更新

 

ガーミンを売っぱらってハンドルバーのデジタルデトックスを始めて早や2ヶ月もう1年強。もうこのままでいいや。初めての土地への輪行での遠征もこなした。ついつい目が行ってしまう目障りな小さな液晶画面から開放され走りや景色に集中できるようになった。道路標識や地形や雰囲気を頼りにナビゲーションし、道に迷ったときは立ちどまってショルダーストラップにくくりつけたスマホを取り出しルートを確認する。まぁなんとかなるし新鮮かつちょっと楽しい

 

それでも僕は事前に見どころやルートを調査しガッチリサイクリングコースを作成し万全の準備をしてそれをなぞるタイプ。トラックをGPS機器に表示しそれを見ながらトレースしていくのは効率がいいのだが若干作業感を感じはじめたのがデジタルデトックスの理由だ。知らない土地を直感も活用してクロスバイクらしいのんびりと自転車旅したくなったのだ。このデジタルデトックスはいい感じで続いていてもうハンドルバーにくくりつける自転車ナビやサイコンはうるさくて卒業な感じ。実際道間違えることもあるけれどもそれはそれで自転車旅の味わいだと思えるようになった。とはいえ腕にはForeAthlete230Jを巻いてライドの記録は続けている。これはまだ卒業できないなぁ

 

メリット

・小さな液晶画面から開放され景色に集中できるようになった

・荷物が一つ(GPS機器とハンドルバー取り付けホルダー)が減った

 特に輪行時の準備工程が一つ減った

デメリット

・ライドのペース設定が難しく平均スピードが遅くなった

・ルート確認で立ち止まりスマホを確認する工程が増えた

 (田舎道の分岐や市街地など)

 

試行錯誤の末、今の僕にあったやり方をまとめてみた

・ルートや見どころは事前調査したうえでサイクリングコースを作成しておきたい

・ただしルートを100%なぞることには固執せずある程度直感に任せる

・道間違えたなと思ったらコースを確認して自力でリルート

・地元のグルメ(定食屋/食堂でグーグルマップを検索するといい感じ)は事前に調べておいてマーキングしておく

輪行時は大きなターミナル駅は避け、なるべく小さな駅で発着する

・複数のサイクリングコースの位置関係を把握して地理を覚えていきたいので一覧性がほしい

・観光や休憩コミコミ、グロスで15km/時でコース設定が基本

 

以下の手順でまとめていくと僕の理想に近くなったよ

 

コース作成RidewithGPS。kmlで吐き出し

  ・メインルートは赤(距離はルート名の最後に括弧書き)

  ・補助/敗退ルートはオレンジ

kmlGoogleマイマップへ取り込みPOI追加し、マップをkmlで吐き出し

 POIは

  ・駅(ピンの色は青)

  ・休憩ポイント、コンビニ、レストラン・食堂、温泉など(緑)

   特に田舎や山岳コースは事前に補給ポイントの選択肢を事前調査要

  ・観光ポイント(デフォルトの赤)

  ・峠(紫)。POI名の最後に標高を括弧書きしておく

メールアプリでスマホに送り、maps.meへコース(ルートとPOI)を取り込み

  ・必要に応じてmaps.meのPOIピンの色を変更しておく

 

アウトプットはこんな感じ。

 

今回は木曽福島駅開田高原飛騨小坂もしくは下呂駅の輪行旅の計画だ。特に田舎は電車本数が少ない。今回の帰りの高山線は2時間に一本。時刻表はメモしておいた方がいい。でも間に合わずぼーっと待っているくらいならば進めるだけ進みたいよね。飛騨小坂下呂駅は22キロ。1時間半もあれば十分なので暇するくらいなら自転車に乗ろうという計画だ

 

 

 

①コース作成はRidewithGPSでkmlで吐き出し

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②グーグルマイマップにインポートして、POIを追加して保存する。レイヤごとに一つのコースにまとめるのが良い感じだよ、下の方に多摩地区のリンクをつけているので参考にしてみて、これをレイヤごとにkmlでエクスポートしてmap.meへ転送する

f:id:trail7:20211117073326p:plain


③maps.meに取り込むとこんな感じに表示されるよ

 POIはデフォルトでピンの色がすべて赤になってしまうので、グルメや駅とかは手作業で色を変えたほうがわかりやすいね。一つずつ取り込む手間はあるが右のようにブックマークを表示、非表示切り替えられて便利だよ。ポケットの中に自分だけのサイクリングガイドが完成だ。隣接するサイクリングコースを複数表示しておいて気分や体力に合わせてつなげてみるのも幅が広がって楽しいよね

 

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参考までに多摩サイから行ける裏尾根幹、小山田周回、尾根幹ルートそして愛宕山周回コースをまとめてみたよ。地図にルートの線が引いてあって、オススメのスポットが登録されている。これぞサイクリングガイドだ。

 

一つのマイマップにレイヤーは10枚までだから地域ごとにまとめたほうがいいね。名古屋地区は完成したらまた都度公開していくよ

 

www.google.com

 

ハンドルバーにスマホを装着する気はないけどミノウラからスマホホルダーが発売されたね。レビューもいいし買うとすればこれに決まりかな。スマホをハンドルバーにマウントするとカメラの手ブレ補正機構がおかしくなるようだから悩むところだね。僕はショルダーストラップのポーチに入れて運用しようっと

 

www.minoura.jp

 

 

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木曽のブルックリン・ブリッジ、桃介橋だ

 

オフラインで管理するならBaseCampだけどマイマップのほうが見やすく便利だね。メモ代わりにリンクだけ張っておこう。ガーミンマップからはとうとう卒業か

 

www.garmin.com

 

本当はスマホだけで完結できるのが理想だが現状無料でやろうとすると難しいね。この手のことは出来たら無料でやりたいしね

僕の細道、奥伊吹・国見峠編 (221023)

近江長岡駅から分断県道40号をひたすら北上。目の前にはドドーンと滋賀県最高峰伊吹山(1377m)が鎮座している。のほほーんとした田舎道で交通量ほとんどない。色づき始めた姉川の清流の流れに豆腐メンタルが癒されていく。この道選んだ俺グッジョブ!

 

 

 

山村の集落は収穫とオクトーバーフェストを済ませ、静かに冬を待っている。清流沿いにキャンプ場があったりのんびりとしたステキなエリアだ。よく見るとやはり過疎が進んでいるようだ。大きい家のわりには車とか人が少なく活気がない。コンビニ、商店がまったくなく結構すむには大変そうだ

 

 

集落を抜け、本格ヒルクライムに取り付く。おお、好みのタイプの峠道。ガードレールとセンターラインのない1.5車線。木の葉や枝、落石が散らばり、自動車にはちょっと通行困難な感じがステキ。こういう道はやっぱ秋だね。春先は雪が残っていたり落石などで路面が荒れていて交通がより困難だ。秘境は秋。再認識した。すすきの穂が輝き、木々は少し色づき始めている。姉川支流の足俣川の渓谷沿いで割りと秘境感ありステキ。

 

 

暑くなってきてTシャツ一枚になり淡々とすすむ。10キロ。約2時間の登りで、ローディ1、モーターサイクリスト1、軽トラ老夫婦1というほぼ俺様専用峠道だ

標高840mの国見峠はジス・イズ・トーゲといった感じで峠の向こうに西美濃の山々の眺望がどーんと広がる。林野庁の設置した石碑があり、由緒書には、教如上人や宮本武蔵も通過した歴史の間道なんだって。国見岳の登山口があり岐阜ナンバーの車が5、6台止まっている。

 

 

ここで休憩、本日のパワーエサはヤマザキのミニチョコパン5個入と、英国労働者階級のエナジードリンク、ミルクティー。砂糖と脂肪分タップリのミルクを多めに溶かし込んでおいた。パンは失敗、潰れていた。食えるけどなんだかな~。ミルクティーはこの時期いい感じだわ。また今度も作って持っていこう

 

 

 

ウインドブレーカーを着込んで春日の集落までダウンヒル。あーあ、せっかく稼いだ位置エネルギーがディスクブレーキの熱に変換されていく。もったいねえ。

 

 

後に東本願寺を開いた教如上人は、関ケ原の戦いの一ヶ月前にこの春日村出身の27人の屈強な男が大垣に囚われている教如上人を救出、国見峠ちかくの蛇が岩に匿ったんだって。内戦中に敵のボスに会いに行くっていうのもちょっと不注意な気がするが、宜しくたのむわとかそれなりの目的があったんだろう。その「なぜ?」という肝心なところが書いてないんだよね。いつも。まぁでも黒澤明監督で映画化したら面白そうなお話だなぁ

 

 

この初夏、ハンガーノックで敗退した「ふるさと沙羅林道」の再挑戦を試みる。車の往来がない河合垂井線をすすむ。河合の集落を抜けようとしたところいきなりジ・エンド。全面通行止めの標識でとおせんぼ。まじかよ~!理由は落石・倒木のため、期間4月28日から当分の間だって。半年以上ほったらかし?でやる気ないやつ。手をつけるとしても冬を越した来年だろうな

 

 


強行突破か悩んだが、ここからさきは本格的な登り、ゼイゼイ苦労して結局敗退するのも空しいなぁ。ツイッターにも情報なし。うーん再び敗退決定!


PlanBは全く準備しておらず休憩しながら再構築。池田山を4分の3ぐるっと回って大垣の街を観光して帰ろう。渓谷沿いを揖斐川町までがーって降りる、あとは直感で南下。割といい感じの街道筋を見つけて幸せ。

 

 

 

昼飯大塚古墳、中山道赤坂宿へも寄ってみる。ライドグルメはちょっとミスった。注文したホイコーロー丼がしょぼい。ミニ丼?って感じで腹6合目くらい。健康にはいいかもしれんが、サイクリング中だとたりね。ま、いいや

 

昼飯大塚古墳は東海地方最大級だ。4世紀待つの作品。古墳の頂上からは、関ケ原伊吹山が見える割りとぜっけー。太古の昔からまさにマウンティングってやつだな。ダリい世の中だ

 

中山道赤坂宿はそれなりの雰囲気が残っているがこれといった観光名所もなくふ~んで通り過ぎた


こんな中途半端なところでやめたの?なんで?と思い、奥の細道むすびの地記念館を訪れてみた。松尾芭蕉って、俳人かつ紀行作家なんだね。今回の奥の細道の旅は東北と大垣にいる弟子たちに会いに行く旅なんだって。ど素人な俺はバックパッカーよろしく行けるところまで行こうという旅で途中、お金がなくなったか、病気になったか、どうしても帰らなければならない用事ができたためかと思ったよ

 

大垣には水運があって船町川港から、船で伊勢参りに向かったんだって。プチ勉強になりました。

 

大垣城は太平洋戦争での空爆にて消失。再建天守閣はパス。駅前の商店街はシャッター多め。地方都市ってこんなもんだよね。といいながら最近俺も通販ばかりだから文句言えないけど。こじんまりとしたコンパクトシティって感じですね

 

 

たぶん読むことはないだろうけど、奥の細道の出だしに感銘を受けた
「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。」、この意味を噛み締めてみた。ふと冷静に考えると年月日は単位が違うだけで同じではないの?って思ったりしたけどここをツッコむと無粋だと思い自制した。人生は旅であるということなんだな。

 

 

旅のアルバム