銀輪日報

本と自転車旅とB級グルメ

自転車のサドル破れを補修してみた

2019.09.08→2020.05.31
 

経年劣化で生地に亀裂

6年半使用して経年劣化によりサドルが25mmほど裂けた。テーピングテープを貼りだましだまし使おうとしたが裂け目が成長してきた。何らかの手当が必要だ。ググってみても良い方法が見つからない。ならば自分で試してみるまでだ

 

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サドルの裂け目が広がってきた

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6年半使用し流石にくたびれてきた。左から跨ぐため右側の劣化が進んでいる

 

亀裂を縫い合わせる

 

まずは裂け目を縫い合わせたい。ななめまつり縫いで往復二回縫い合わせた。生地が劣化しており縫い代が2mmほど必要だ。少なすぎると縫ったところが破れてしまう。慎重に時間をかけてなんとか縫い合わせた

 

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ななめまつり縫いを2回繰り返し、裂け目をとりあえず塞いだ

 

樹脂でタッチアップ

 

縫い目の防水のためシリコーンゴムを塗布してみた。ここまで生地の劣化が進んでいると単なる気休めかもしれないが

 

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シリコーンゴムで気休めの防水処理

 

30分ほどシリコーンゴムを硬化させ、その上からセメダインスーパーXクリアを塗布して10分ほど待つ

 

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セメダインスーパーXクリアを塗布して10分ほど待つ

 

テーピングで仕上げ

そして最終仕上げにテーピングテープで覆い隠すように貼りつける。テーピングテープの生地に接着剤を十分なじませる。特に上側から剥がれてくるので注意が必要だ

 

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テーピングテープで仕上げ

 

落ち着いたところで、黒のマジックペンでタッチアップし目立たなくする。ぱっと見まあまあいい感じに仕上がった。あとは耐久性がどれくらいあるか。体重のかかるパーツだから難しいかな。しばらく経過観察後、記録を残しておこう

 

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黒のマジックペンでタッチアップ

 

 

補修材料

コニシボンド、バスボンドQ(気休めの防水処理。いらないかもしれない)セメダインスーパーXクリア。CVS Health多目的クロステープ

 

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ありモノで補修するというのはDIYの楽しみの一つだ

  

セライタリアフローサドル

今使っているサドル2013/04購入。非常に気に入っているぞ

セライタリア XO フロー サドル ブラック 146×270mm, 310g
 

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購入時の写真が残っていた
 
400ライド、20,000km使った。耐久性はさすが老舗セライタリアだ。今後ずっと指名買い銘柄に推奨。多分これが後継機種だがよくわからん。型番とか製品名に継続性を持たせてほしいものだ。修理がうまく行かなければこれをポチろう

 

 

今どきサクッとポチってしまったほうが合理的なのだろうが、良いモノ・気に入ったモノを手間暇かけて修理して長く使うというのにも関心が向かいつつある今日このごろ。ダメ元で修理を試みるというのも一興だ
 

半年使用経過良好

2020.05現在、半年以上使ってみたが見た目はともかく特に問題なく使用に耐えているぞ

朝ライドでサクッと流す多摩サイ中流(府中・調布・狛江桜堤通り)~ジャイアンツ坂 

2019.09.08 26km

 

折角の日曜日、天気予報はお昼から雨。幸い朝七時までは晴れ予報だ。今日は軽く乗って終わりにしておこう。そういう時にとっておきの是政橋発着の散走コースだ。コース的にはガチで頑張ってもいいが、若干短いので物足りないはず。肩の力を抜いて軽く流すのが週末の朝の理想的なこのコースの楽しみ方だ

 

まずは右岸を下流に下る。稲城側の桜並木のサイクリングロードは桜並木の根が成長してボコボコして走りにくい。そのすぐ隣を走る普通の道を走っても良い。1.5kmほどで稲城北緑地公園だ。稲城クロスが開催される会場だ。夏草が生い茂っているが、しばらくするとコースが整備されていくだろう

 

稲城大橋をくぐると、Z字のスロープで堤防の上に登る。その途中にアカシア林のちょっとしたグラベルがある。路面は荒く、ロードは非推奨。距離が300mほどで短いこと、最後は土手を押して登らなければならないことから興味があれば寄ってみても良いだろう

 

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アカシア林の小径

そして多摩川原手前でまた河川敷におり、稲田堤へ向かう。朝陽が川越しに登ってきて美しい風景を楽しめる場所だ

 

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京王相模原線多摩川橋

今年できたばかりの多摩サイを繋ぐピクニック橋のZ字状のスロープを駆け上がり土手上の狭隘なサイクリングロードを多摩水道橋まで行こう。そこで橋を渡り左岸へ。狛江五本松を過ぎ一部グラベルの川沿いのサイクリングロードを進むのもよいがここはランナーや散策する人でごった返すポイント。しかも減速帯が設置され気を使う。そのため、信号が9箇所もあり迷うところだが、あえて桜堤通りからの普通の道の方が走りやすいかもしれない

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ピクニック橋のZ字スロープ

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狛江五本松

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桜堤通り

多摩川原橋まで戻ってきたら橋を渡って鶴川街道を稲城方面へ。川崎街道を過ぎよみうりランド方面へ左折する。そしてよみうりランド駅前から地元ローディーの定番、ランド坂に取り付いてみるのも一興だ。「巨人への道」の碑からの眺めは一見の価値がある

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桜の季節がやっぱり一番

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最も基本なホームコースであるがまとめてみるとなかなか魅力的だ。週末の短い時間を手軽かつのんびりと楽しむには良いコースだ

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真夏の京王線。一年中楽しめるコース

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稲城大橋から多摩サイを望む

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今朝の多摩川、美しい朝だった

堂平山天文台・リビジテッド~林道松倉線に再度散る

2019.09.07 85.4km
 
鬱陶しく汗臭い無駄にギラギラとやたら熱量に満ち溢れた日々は、僕が気づかないうちに徐々に遠ざかろうとしている。漠然とした日常生活の中、何気なくその気配に気づいてみるとなぜかふと物悲しい。
 
僕は朝六時前、東青梅を発ち成木街道から奥武蔵を目指した。15分ほどで関東有数の激ヤバ神霊スポット成木トンネルにさしかかった。新、旧、旧旧の3本のトンネルのうち僕はいつもの通り自動車通行禁止の旧を選択し距離は短いものの、のんびりと旧道ライドを楽しんだ。

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吹上旧トンネル。照明ついており今も整備されている
街道に戻り本格的な巡航運転に入った。土曜の朝っぱらから熊谷とか秩父ナンバーの10tダンプがガンガンぶっ飛ばしている。まあそれでも交通量は少なくまずまず快適なサイクリングルートだ。
 
有間ダムで一息ついた。水位は低いが、台風の時期に備えてそうしていると。勉強になるなぁ。そこから5kmほど入間川沿いに快走し、いよいよお待ちかねの山岳ステージの始まりだ。まずは標高606mの山伏峠を攻略、続いて正丸峠(636m)で小休止。地元のライダーと旅の四方山話で束の間の時を過ごした。交通量はほとんどなく、非常に快適なエリア第1級のゴキゲン山岳ルートだが、逆にたまに来る対向車の処理が面倒くさく気が抜けないところだ。

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有間ダム。雲の下の稜線には有間峠。また途中には大名栗林道とバリエーションルートが豊富

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埼玉県有形指定文化財名栗川橋1923年~。土木学会選奨土木遺産

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アメリカ空軍の廃車。今まで気が付かなかったがなんでこんなところにあるんだ?@飯能下名栗線

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初めてみた。営業開始は2018年07月とのこと
高麗川沿いの登りを淡々とこなし、途中水量豊かな高麗川源流で手や顔を洗いサッパリした。なんて贅沢なんだ。

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刈場坂峠の手前。行けばわかる。超気持ちいいぜ
刈場坂峠を越えそのまま今日の旅の折り返し地点、堂平天文台まで峠を二つ三つ縦走した。峠とはいえ尾根上の林道で起伏の連続だが、高低差は100mほどで大したことないし標高700〜800m付近で下界より5度ほど気温が低く快適だ。
 
堂平天文台(1962-2000)は91cmの日本光学謹製の主望遠鏡を装備し東京からのアクセスの良さと晴天率の高さで日本の天体観測事業を支えてきた頑張り屋さんだった。しかし高度経済成長での首都圏の膨張による観測環境の劣化、その他予算削減のあおりを受けて2000年に閉鎖された。僕は観測ドームとなりの堂平山山頂の広場で仰向けに寝ころんで空を見上げた。トンボが空を舞っている。雲に合間に青い空と太陽が覗く。サイコー。
 

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季節は進んでいくんだなぁ
十分に休憩をとり後半戦に向かった。刈場坂峠に戻り、奥武蔵グリーンラインの下りだ。静かな稜線上の一本道の林道は非常に快適だ。ここでも空気読まない自動車がたまに登ってくるので気は抜けないぜ。途中、自転車をデポして関八州見晴台へ登った。その名の通りの見晴らしが広がっていた。
 

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奥武蔵グリーンライン

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関八州見晴台。名前の通りの見晴らしだ
奥武蔵グリーンラインを下りながら顔振(こうぶり)峠を過ぎ国道299号を案内する看板が見えてくる。その三叉路を左に折れ林道権現堂線に続く、そのまま鎌北湖経由で毛呂山町まで走るのがセオリー。しかし僕は以前たまたま見つけた未攻略の激坂林道倉松線に再度取り付いた。ストラーバでは全長0.94km獲得標高139m単純計算で平均勾配14.8%、最大勾配23.5%という斜度に加え一車線のコンクリート舗装にセンターには苔がむしており難易度は超一級だ。今回もあえなく途中で敗退。押しながら登った。おそらく一生登りきれることはないだろう。
 

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超激坂林道倉松線。舗装からしてヤバい。ゼッテー攻略は無理だ

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鎌北湖


思いつきで高麗神社へ寄ってみた。なぜ高麗川とか高麗神社とか朝鮮に由来すると見られる高麗という地名があるのかふと気になったためだ。高麗神社のパンフレットで理解した。668年に滅亡した当時の大国「高句麗」からの亡命者が日本に移り住んだ。そして大和朝廷は716年に1799人の高麗人を未開のこの地に入植させ高麗王若光を首長とした。彼の子孫が現在まで続き宮司を務め、60代続いている。現代に置き換えてみるとインドシナパレスチナ難民だ。国を失い外国へ亡命。時の政権より未開の地に集められ入植地としたのが現在の日高市だ。高麗神社は思ったより人気のようで参拝者が絶えなかった。
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高麗川駅前の定食屋で生姜焼き定食と生ビールを注文しライドのシメとした。このエリア随一の山岳ステージを楽しめた幸せを噛みしめた。そして14:30発の八高線で家路についた。単線の先にはまだまだ夏の空が広がっていた。
 
ルート(林道松倉線回避)
ルート(林道松倉線)

日光あかがね街道~わたらせ渓谷鉄道の旅

2016.07.24 62.6km

 

日光駅から約90分、だれともすれ違うことなく淡々と上り坂を漕ぎ続け10時過ぎに標高1193mの細尾峠を踏んだ。1978年に日足トンネルが開通するまでは足尾銅山と日光の精錬所を結ぶ地域の大動脈だった。そのためつづら折りの続く峠道であるが、銅鉱石満載のトラックが登れないような激坂ではない。今では通るものもほぼいないようで、道路は苔むしちょっと荒れた感じだ。真夏の青空が広がっていたが、手入れのされていない木々が緑のトンネルをつくり結構涼しく、山から吹き下ろす風が快適だ。

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味わい深い日光駅洋風駅舎だ。1925年~

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苔むす旧道区間。現在は日足トンネルがメイン。自転車でゆっくり登った

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朽ち果てつつあるおにぎり、味わい深いぜ

峠を越えれば後は下り。あっという間に足尾地区におり無人足尾駅で一息ついた。栄光の鉱山都市足尾も今やひっそりとしている。かつての繁栄の遺構をカメラに収めた。通洞動力所。コンプレッサーで空気を圧縮し、坑内の換気と削岩機の動力として用いられた。隣接する新梨子油力発電所は、大正4年に当時最大規模の1000KWの発電能力を誇ったが昭和29年に廃止された。好調な中国経済により受給が逼迫した2011年、ロンドン金属取引所の3ヶ月先物相場は史上最高値の1トンあたり11,000ドルをつけたが、いまは5,000ドルを割り続ける展開。どう転んでももはや復活はないだろう。煉瓦造りの廃墟に諸行無常の風が吹いていた。

 

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通洞動力所。コンプレッサーで空気を圧縮し、坑内の換気と削岩機の動力として用いられた

その後草木ダムで今年初のダムカードをゲット、わたらせ渓谷鐵道直営の列車レストランがある神戸駅へ向かった。ステキな響きにつられたが、実際は地元のおばちゃんがやっている食堂だ。看板メニューであろうトロッコ電車弁当を注文した。珍しくサイクリング中にまともなメシを食べたらその後わき腹が痛くなった。味気ないが行動食もなかなか機能的なもんだなぁと改めて認識した。その土地の食事をして、地元資本にほんのすこしお金を落とす。こういうのも旅行者としては大切なことだ。

 

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ロッコ弁当、旅気分だ

駅の中の温泉が売りの水沢駅がゴールだ。数キロ離れた源泉を引き、沸かし湯だけに湯加減バッチリ。ただわざわざ電車に乗って来る程でもなく、地元のご老人が主な客層。しかしその経営努力に敬意を評したい。さっぱりしたところで到着したわたらせ渓谷鐡道に乗り込んだ。一両編成のディーゼル車は運転席も開けっ放げに真夏の太陽が降り注ぐ赤茶けた単線レールをゴトゴトと下っていった。

 

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わたらせ渓谷鉄道、わ鐵は夏の空をガタゴトと進んでいった

ルート 

https://www.strava.com/routes/21538716

ブレーキ沼とベスラパッド

2019.09.14
 
激坂を攻略し一息ついた後、達成感とともに下る坂道はサイクリストにとって至福のひと時だ
 
しかし突然ブレーキが効かなくなり速度制御を失うと一瞬にして恐怖の時間に変わる
 
サイクリストは色々な沼にハマってしまう。僕はいわゆるブレーキ沼という泥沼に落ちた。これはその苦難の物語だ
 
ブレーキは、運動する物体を減速、停止させる制動装置。物理的には運動エネルギーを摩擦力で熱エネルギーへ変換する。寒い冬のライドでかじかんだ手を擦って血の巡りを回復させるのと同じこと。スポーツ自転車では、ゴム製のブレーキシューでリムを挟む、もしくはブレーキパッドでローターを挟むことにより摩擦力を起こし熱を発生させるわけだ
 
その運動エネルギーの公式は、K(運動エネルギーJ)=1/2M(質量kg)V(速度m/s)^2(二乗)だ。学生時代はこんな公式僕の人生の役に立つことはないだろう、 こんなことになんの意味があるんだ?と斜にかまえていたが巡り巡ってこの公式に再会した
 
まさにスティーブ・ジョブズの有名なスタンフォード・スピーチに出てきたコネクティング・ドットというやつだ。そのときには有用性が理解できなくても、将来跡から振り返ってみると点と点が繋がったわけだ。この点は未来に向かってつなげることはできず、過去を振り返って繋げられるだけ。よって今手掛けていることが将来どこかでつながると信じて一生懸命に取り組むことが大切なのだ。今一度、自分に言い聞かせた
 
この公式をサイクリストにあてはめてみると体重60kgの人(Aさん)と、体重90kgの人(Bさん)が同じ速度で走っていた場合、Bさんの方がAさんに比べ50%増しの運動エネルギーを持っている。その分ブレーキをかけて停止する際に必要なエネルギーは大きくなるわけだ。そのためブレーキにかかる負荷(すなわち熱)も50%増しと言える
 
モノには耐熱温度があり、ブレーキをかけ続けどんどん熱を発生させていくと、リムブレーキの場合、熱でチューブがパンク。ディスクブレーキの場合、パッドの摩擦材に含有された樹脂成分が一定の温度と超えると溶け始めブレーキとバッドの間に成膜し摩擦係数を極端に落としてしまう。これがフェードと言われる現象だ。一旦フェードを起こすとブレーキを力の限り思いっきり握ってもブレーキが滑ってしまい全く止まらない。激坂の下りでは、恐ろしくてもう乗っていられない。そして一度フェードを起こしたブレーキパッドは変質しもう制動力は回復しない
 
初期装備のテクトロNovelaディスクブレーキはエントリークラスバイク向けのベストセラー。直径23mmという十円玉大の小さなブレーキパッドに命を預ける。普段使いの街乗りレベルならなんの問題もないのだが、特に気温の高い真夏の峠の下りという連続した熱負荷がかかる場面ではフェード現象を起こしてしまう。メタルパッドに変えてみたが、軽動力が強くなる代わりにキャリバーの剛性不足を感じたり、音鳴りでキーキーうるさく快適なライドを楽しめない
 
次にシマノのM-375というDeoreクラスのブレーキキャリパーへの換装を実施。さすが安心のシマノだカッチリとしたブレーキ感。パッドは純正のレジンパッドを使用した。音鳴りは消えたがフェードが再発。ローター径を160mmから180mmへ大径化した。しかしフェードは収まらない
 
ネット検索を駆使して最適解を探す。輪行派の僕はできれば機械式ブレーキを使い続けたい。なぜなら、梱包時逆さにすることによるエア噛みや、ブレーキの加熱でベーパーロック現象による制動力消失を避けたいためだ。そしてベスラというブレーキパッド専門ブランドを見つけた。走り屋向けのアフターマーケット向けアップグレードパーツ専門業者。自転車用にも事業展開した。ブレーキパッドのカタログの能書きを穴のあくほど眺め、用途の合いそうな3種類を試験運用した結果、クロスカントリー向けモデルBP026がランニングコストと性能のバランスを考慮し最も快適、安心に使えるとの判断に落ち着いた。その後指定買い銘柄として僕のライド・ライフに欠かせない重要部品の一つとして活躍している。奥武蔵GL、大弛峠、富士スバルライン、乗鞍スカイラインなど日本有数の激坂ももう安心だ
 
ちなみにブレーキレバーは左前にしている。たまたまスポーツバイクを買ったときに左前ブレーキの設定だったからだ。あまりよく考えたことはなかったがなれてしまえば、左前ブレーキのほうが都合がいい。左手をブレーキレバーに常に残せるということは、左側通行を考慮に入れて
 
・ハンドサイン
・ボトルに手を伸ばす
・身体を捻って後方確認
GPS/サイコンの操作
・ベルを鳴らす
 
などの操作系を右手で行えるという点が良い。しかしながらあくまでもブレーキ操作しやすいことが優先事項だ
 
ブレーキへの入力の前後比率については体得が必要だ。路面の状態とブレーキとタイヤの性能、そして重心で変わってくるためだ。前後バランスよく操作しブレーキの性能を引き出すテクニックとなる。ブレーキを掛けると慣性の法則により重心が前よりになり前輪に荷重がかかる、後輪からは抜重となる。ブレーキ力も応分に前後調整し、大雑把に言うと前6~7割、後ろ3~4割の感じで調整する。また体幹による重心調整も重要だ。斜度が大きくなるにつれて身体を後ろに移動し、極端に前輪にのみ荷重がかかったり、後輪がロックしないように調整する。前輪のロックは即転倒につながるため危険だ。後輪のロックはオフロードのトレイルを走っている場合、路面の土を削ってしまう。そこから溝が大きく成長するきっかけとなるのでマナーとしてスキッド(車輪をロックさせて滑らせる)は避けるべきだ。またコーナリング中はグリップ力が落ちる(進む方向と曲がる方向にベクトルが分散する)のでブレーキは避けること
 
まとめ
  • 体重がある。気温が高い夏。長い下りでのブレーキの連続使用で自転車のブレーキもフェードすることがある。フェードとは制動力が極端に落ちてしまうこと
 
ブレーキの制動力や信頼性に疑問を感じた場合
  • ブレーキクリーナーでパッド、ローターやキャリパーをきれいに清掃する
  • パッドをレジンからメタルに変更してみる。ただしキーキー音鳴りが大きくなる場合がある
  • アフターマーケット品を試してみる
  • ローター径を一つ大きくしてみる
  • キャリパーのグレードを上げる
  • 機械式から油圧式へ変更してみる(輪行派は機械式が良い)
 
ブレーキングは
  • 前6~7割、後3~4割。両方バランス良くブレーキ性能を最大限に引き出すこと
  • 前輪のロックは即転倒
  • コーナリング中のブレーキはグリップを失いやすく危険。事前に十分に減速すること
 
おすすめパッド

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自転車乗りなら配置薬とともに各家庭の救急箱に常に予備を持っておくべきアイテムだ

東京の水道事業を探求する自転車旅(羽村山口軽便鉄道跡~多摩湖自転車道 )

2019.09.02 83.7km
 
ブログにまとめるという行為はマンネリ化しつつある僕のライド・ライフにとってスパイスだ。飽きのきたライドをもう一度味わい深いものにしてくれる。
 
貴重な平日の休暇、多摩サイへ向かった。空いている平日こそが多摩サイを楽しむ絶好のタイミングだ。こころなしかゆっくりと羽村取水堰を目指した。途中珍しく自転車を止め、河原に降りて消滅しつつある牛群地形をカメラに収め、多摩川の水で顔を洗いさっぱりしたりいつになくノンビリとした。そして残暑の夏日でも吹き付ける風に令和元年の夏が過ぎゆくことを感じる。最近は腕時計型GPSに追われるようにログを残しガーミンコネクトのための統計記録を取るのが目的と化し本来のライドを楽しめていなかった。あるべき自転車の旅の姿に少しだけ戻った気がした。

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立川市民運動場にある木

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冬季の多摩モノレール(東京)、大室山(神奈川)、マウンツフジ(静岡)の南多摩コンボ

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通り過ぎる誰もが不思議だと思う牛群地形

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1月下旬の府中市郷土の森近く。ダイヤモンド富士を狙う人でごった返す

いつもの羽村取水堰のベンチで一休みした。多摩川水系は、東京都の水需要の20%を賄う。ここから新宿までまっすぐ伸びる江戸時代のプロジェクトXの成果物、玉川上水はランには良いが、自転車だとつまらない。

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玉川兄弟の像。サイクリスト定番のフォトスポット

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玉川上水は今日も水量豊富だ。1653年~

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601年創建と言い伝えられる阿蘇神社

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休憩後ちょっと先の自転車お守りのある阿蘇神社まで足を伸ばした。家族それぞれの健康と充実した人生を過ごせるよう祈った。今日は時間もあるし久しぶりに1916年に人口増加による東京都民の水道需要を賄うため村山・山口両貯水池すなわち今で言う多摩湖狭山湖を造成する為に多摩川から砂利・建設資材を運ぶために敷設された東京都水道局の羽村山口軽便鉄道廃線路を辿った。開始地点で若干迷ったが廃線路を一旦見つけると自然にルートの目星がついた。今は遊歩道とか生活道路となっている。米軍ハウスで一旦途切れ、横田基地を迂回する。横田基地はひっそりと静まり返りちょっと期待していた戦闘機をカメラに収めることはできなかった。
 
そして再度廃線跡に合流、狭山丘陵に差し掛かり、横田・赤堀・御岳そして赤坂トンネルを抜けた。短いトンネルだが内部は水が染み出していて非常に涼しく快適だ。赤坂トンネルで廃道化する。僕は右折しシングルトレイルを下った。そして青梅街道を東上する。自転車通行帯がペイントされており狭い割には走りやすい。久しぶりにこの辺に来たので、芋窪街道を南下し日立航空機立川変電所跡へ寄り道した。今風のマンション群が立ち並ぶニュータウンに残る都内でも数少ない太平洋戦争の遺構だ。グラマン戦闘機の機銃掃射やB29の爆撃による弾痕が今でも痛々しい。こういう場所に立ち寄り歴史を感じ想いを馳せることができるのが自転車ツーリングのフットワークの軽さだ。
 

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旧日立航空機立川工場変電所。1945年3回の空襲により無数の弾痕が残る貴重な戦争遺跡
そしてまた狭山丘陵に戻り一周11kmの多摩湖自転車道周回コースを巡った。丁度よい起伏が繰り返され、がっつり踏み甲斐のあるゴキゲンな丘陵ルートだ。そこから村山貯水池から敷設されたいわゆる水道道路、東京で一番の長さと言われる直線番長、多摩湖自転車道を下った。直線番長といっても所詮は窮屈な東京。肩身狭く、道路の交差ごとに設置された車止めにストップ・アンド・ゴーを繰り返す。突き当りで新小金井街道へ折れる。自転車通行帯があり、武蔵野台地を南北に移動するには一番の道だ。多摩川へ向かって下り基調。途中京王線との交差のトンネルは自転車通行禁止、側道の階段を押して通る。ハケ下まで出ればゴールの是政橋までもう少しだ。

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東京都選定歴史建造物村山下貯水池第一取水塔(1925〜)高さ27.1mの塔だがその大部分は水面下

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冬季の多摩湖。春夏秋冬楽しめる場所だ

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東京の直線番長。夜露死苦

 

ルート 

https://www.strava.com/routes/18962414

ルート(多摩湖自転車道周回ルート)

https://www.strava.com/routes/21478498

 

東京の自転車乗りの聖地「尾根幹」尾根幹~小山田周回~戦車道路~大栗川CRの基本コース

2019.09.01
 
永遠に完成しない高規格幹線道路。そして東京西部のローディの定番中の定番、尾根幹。延長16620m幅員43mと素敵なスペックだが失われた30年と住民の反対運動により開発状況はぐだぐだ。その中途半端さに主要幹線道路へ昇格できず、町田・相模原民の武蔵野大地への生活道路の域を未だ脱しきれない。そのイケてないローカル地方道風情による大型車の少なさと、多摩丘陵のまさに尾根に沿ったアップダウンが続くコースはガチローディ達の絶好の練習コースとして聖地化した

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本来この緑地帯が本道で今の道路が側道なのだがずっと放置
このコースの良さは、近隣のメジャールートの多摩サイと比べランニング・ウォーキングの人たちがほぼおらず広い側道に自転車通行帯のペイントでチャリダーが一定の市民権が認められた比較的安全な俺様コースであること。またずっと続く街路樹が四季の彩をそえること。そして適度な負荷運動を繰り返し行えるアップダウンという良質な難易度に裏付けられている

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クジラ坂から新宿方面への眺め、よく晴れた冬は新宿副都心の高層ビル街が一望できる

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バーミヤン坂。序盤のハイライトの一つだ
いつの間にか衰え始めた夏の太陽のエネルギーに秋を感じた。諸行無常。盛者必衰の理を感じる今日この頃だ。その分僕らの活動エリアであるアスファルトの上では幾分過ごしやすくなった。僕はしっかりとペダルを踏み込んだ。適度な負荷が返って心地よい。赤信号での停止は適度なインターバルとなりあまりストレスを感じない。あまりに快調なライドに調子に乗ってこれまた定番のバリエーションルート小山田周回を取り込んだ。多摩丘陵ののどかな田舎道で鶴見川源流の泉や日大三高の急坂を駆け抜ける約12kmの周回。ここもアップダウンが続く。交通量は多くなくローディ人気の丘陵コースだ

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本来あるべき姿の尾根幹完成形。行政としては多摩川までぶち抜きたいが、住民がうるせー

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米空軍由木通信所前の廃道。もう使うのやめたようだ

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鶴見川源流の泉。一日1300トンの地下水を湧出する
今日は軽く一周だけ流しておいて次の戦車道路ステージへ突入した。本来の名は尾根緑道であり稜線上のコースから富士山とか丹沢山塊が望める風光明媚なこれまた良コース。戦前陸軍相模造兵廠で製造された戦車のテストコースとして使われた幅広の尾根道が右に左にくねくねと約8km続く。ランナーや散策する人も多く人気の散策路だ

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戦車道路から相模原台地丹沢山塊を望む
国道16号の鑓水交差点まで出てそこから柚木街道経由で大栗川CRの下り基調となる。中途半端なサイクリングコースというか川沿いの生活道路で交差する道路でいちいち止まり、快走度は低い。実際ローディもほとんどいないマイナーコースだ。僕は、せっかく進んだ道をそのままそっくり引き返すということをできれば避けたいタイプなので、貴重な帰投路となっている

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大栗川CR
フリマで有名な橋のある関戸まで戻ってくると、いろは坂愛宕山ループでもう少し足を削るもよし、多摩サイに抜けてのんびり下るもよし。僕はガッツリ裏連光寺坂に取り付き家路についた