銀輪日報

本と自転車旅とB級グルメ

東京の水道事業を探求する自転車旅(羽村山口軽便鉄道跡~多摩湖自転車道 )

2019.09.02 83.7km
 
ブログにまとめるという行為はマンネリ化しつつある僕のライド・ライフにとってスパイスだ。飽きのきたライドをもう一度味わい深いものにしてくれる。
 
貴重な平日の休暇、多摩サイへ向かった。空いている平日こそが多摩サイを楽しむ絶好のタイミングだ。こころなしかゆっくりと羽村取水堰を目指した。途中珍しく自転車を止め、河原に降りて消滅しつつある牛群地形をカメラに収め、多摩川の水で顔を洗いさっぱりしたりいつになくノンビリとした。そして残暑の夏日でも吹き付ける風に令和元年の夏が過ぎゆくことを感じる。最近は腕時計型GPSに追われるようにログを残しガーミンコネクトのための統計記録を取るのが目的と化し本来のライドを楽しめていなかった。あるべき自転車の旅の姿に少しだけ戻った気がした。

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立川市民運動場にある木

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冬季の多摩モノレール(東京)、大室山(神奈川)、マウンツフジ(静岡)の南多摩コンボ

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通り過ぎる誰もが不思議だと思う牛群地形

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1月下旬の府中市郷土の森近く。ダイヤモンド富士を狙う人でごった返す

いつもの羽村取水堰のベンチで一休みした。多摩川水系は、東京都の水需要の20%を賄う。ここから新宿までまっすぐ伸びる江戸時代のプロジェクトXの成果物、玉川上水はランには良いが、自転車だとつまらない。

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玉川兄弟の像。サイクリスト定番のフォトスポット

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玉川上水は今日も水量豊富だ。1653年~

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601年創建と言い伝えられる阿蘇神社

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休憩後ちょっと先の自転車お守りのある阿蘇神社まで足を伸ばした。家族それぞれの健康と充実した人生を過ごせるよう祈った。今日は時間もあるし久しぶりに1916年に人口増加による東京都民の水道需要を賄うため村山・山口両貯水池すなわち今で言う多摩湖狭山湖を造成する為に多摩川から砂利・建設資材を運ぶために敷設された東京都水道局の羽村山口軽便鉄道廃線路を辿った。開始地点で若干迷ったが廃線路を一旦見つけると自然にルートの目星がついた。今は遊歩道とか生活道路となっている。米軍ハウスで一旦途切れ、横田基地を迂回する。横田基地はひっそりと静まり返りちょっと期待していた戦闘機をカメラに収めることはできなかった。
 
そして再度廃線跡に合流、狭山丘陵に差し掛かり、横田・赤堀・御岳そして赤坂トンネルを抜けた。短いトンネルだが内部は水が染み出していて非常に涼しく快適だ。赤坂トンネルで廃道化する。僕は右折しシングルトレイルを下った。そして青梅街道を東上する。自転車通行帯がペイントされており狭い割には走りやすい。久しぶりにこの辺に来たので、芋窪街道を南下し日立航空機立川変電所跡へ寄り道した。今風のマンション群が立ち並ぶニュータウンに残る都内でも数少ない太平洋戦争の遺構だ。グラマン戦闘機の機銃掃射やB29の爆撃による弾痕が今でも痛々しい。こういう場所に立ち寄り歴史を感じ想いを馳せることができるのが自転車ツーリングのフットワークの軽さだ。
 

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旧日立航空機立川工場変電所。1945年3回の空襲により無数の弾痕が残る貴重な戦争遺跡
そしてまた狭山丘陵に戻り一周11kmの多摩湖自転車道周回コースを巡った。丁度よい起伏が繰り返され、がっつり踏み甲斐のあるゴキゲンな丘陵ルートだ。そこから村山貯水池から敷設されたいわゆる水道道路、東京で一番の長さと言われる直線番長、多摩湖自転車道を下った。直線番長といっても所詮は窮屈な東京。肩身狭く、道路の交差ごとに設置された車止めにストップ・アンド・ゴーを繰り返す。突き当りで新小金井街道へ折れる。自転車通行帯があり、武蔵野台地を南北に移動するには一番の道だ。多摩川へ向かって下り基調。途中京王線との交差のトンネルは自転車通行禁止、側道の階段を押して通る。ハケ下まで出ればゴールの是政橋までもう少しだ。

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東京都選定歴史建造物村山下貯水池第一取水塔(1925〜)高さ27.1mの塔だがその大部分は水面下

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冬季の多摩湖。春夏秋冬楽しめる場所だ

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東京の直線番長。夜露死苦

 

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