銀輪日報

本と自転車旅とB級グルメ

北アルプス白馬・本町自転車散歩

改札口を出ると目の前に圧巻の白馬連峰がどど~んとお迎えしてくれた。

 

天候待ち3週目でついに決行。桜の見頃は先週だったがまぁ仕方なし。一日目は移動日と割り切り、名古屋からドンコで約6時間、さすがに疲れた。まずは宿に荷物をおいて温泉と夕食食べて早めに寝よう。白馬八方温泉みみずくの湯は白馬三山を望む露天風呂があり夕暮れに映える稜線をのぞみ湯加減はちょうどいい感じ。サイコーの日帰り温泉だわ

 

旅の疲れを癒やしさっぱりしたところで白馬村を南北に抜ける国道を南下する、事前調査しておいた大黒食堂の営業は20時まで、のんびりチャリを転がす。19:25分着でまぁなんとか間に合ったよとお店を覗いてみるとまさかのL.O. 19:15まで。全然その場の雰囲気に似つかわしくないんだけど表示がそのままL.O.。一瞬悩んだけどラスト・オーダーだよね?女将さんはごめんね~なんていってるけど田舎とはいえ流石に早すぎねえか?多分切り盛りしている老夫婦が眠くなるんだろうなと、優しい気持ちで理解した。なんかやる気なくして近くのコンビニで酒とおにぎりゲット、駐車場でジベタリアンしながらいただいた

 

 

 

今回はドミトリー形式の安宿、一泊3000円。行ってみてわかったけど、昔はトラック運転手の仮眠施設だったようだ。二段ベッドにカーテンが付いていてまさに寝るだけの割り切った場所。1階のロビーでは挨拶や交流とかいう浮ついた雰囲気はまったくなく、宿泊客がテーブルでビールやチューハイを片手に各々スーパーで買ってきたようなお弁当やお惣菜を黙々と食べている。驚いたのが女性ソロ客もいることだ。お互い我関せず。旅の上級者向けの宿だ

 

ベッドに横たわりながらいやー、これはホテル業界のLCC、宿泊施設の機能を「睡眠とトイレ」のみに絞ったお宿。行ったことないけど、リッツ・カールトンの対極にあるホテルだ。そういや、ある自転車サークルに入ってみて、リッツ・カールトンのサービスがどうとか、意識高い系の会話があったり、うわなんか合わないなとさっさと退会決めたが、サービスって結局その支払うお金に対するものであって等価交換なんだよね。おもてなしとかホスピタリティってのも同様に金銭を介して初めて発生するやりとりじゃん?と思うわけ。ま、人それぞれだけど。大枚はたいてあとはお任せというレガシーサービスよりも、必要な機能を自ら理解、選択するというサブスクリプション型が逆に現代にあっていて、上級者向けという気もするなぁとか考えているうちに寝落ち。20時過ぎ

 

朝は3:30に目が覚めた。十分寝た。もう眠れん。夜明けが5時前だし、ちょっと早く出てみるか。とライド開始が4時過ぎ。一路大出公園へ、日の出前から写真家がわんさか待機している。すげー。今日は連泊でテキトーに白馬村を自転車散歩の予定。一時間くらい大出公園で雲一つない青空に映える白馬連峰のぜっけーを堪能。これ以上言うことないわ。と1時間位停滞。

 

 

もう一つ気になっていたというか、そもそもこの旅を掻き立てた憧れの白沢洞門へ朝っぱらからヒルクライム、8キロ440メートルの俺様専用の登り、360°ドルビーサラウンドの小鳥の鳴き声が心にしみる。うぅ。来てよかった。6時半頃峠着、憧れのトンネル越しの雪山という構図で写真に納める。しかし大出公園の圧巻の絶景を見たあとなので、想像したより感動はなかった、けど一度は訪れる価値のある場所だ。7時には観光客やツーリング客がひっきりなしに訪れて混み合う。早起きは三文の徳だね

 

 

また大出公園へ舞い戻って今日はここでのんびりしようと、持ってきた文庫本を広げる。絶景に、川のせせらぎ、ぽかぽかした陽気。今日はもうここで一日潰してもいいやっていう気分になってのんびり過ごす。天気が良すぎて10時半にはもう暑くなってきた。もうダメだ、撤収。11時に駅前の定食屋でゆっくりランチ。本日の最低気温5℃、最高気温が27℃と寒暖差22℃もあり服装が大変。

 

午後は白馬大橋、オリンピックモニュメントなどをゆっくり観光した。そして目玉はジャンプ競技場。下から見ると大した事なさそうなんだけど、リフトでのぼって、ラージヒルのスタート視点から見下ろすと割とたまヒュンでほぼ自由落下にちょっとスロープ付いてるだけじゃんってなかんじの無理ゲー。白馬連峰が圧倒的観光コンテンツであとは正直どおってことない白馬村の数少ないおすすめ観光スポットだ

 


一旦宿に戻り、サイクリングシャツとパンツを洗濯して干しておく。夜までには乾くだろ?あとは暗くなるまで時間つぶしで出かける。姫川源流公園へ行ってみた。鶴見川源流とおなじようにおぉ、ここで水が湧き出すんだ?と割とわかりやすいね。ここから白馬の街へ向かってみるか。田園地帯を潤す小川の流れに、土手には水仙やたんぽぽが咲き誇る。遠くには北アルプスの山々。姫川自転車道と名付けられたあぜ道のグラベルロード、昔風に言うとガタガタ道。はもおサイコー!なんか、記憶の奥底から自然と、「小鮒釣りし彼の川、夢は今もめぐりて、わすれ難きふるさと~」という文部省唱歌の一節が沸き起こってきた。この部分しか思い出せず、リピート再生。初めて走る道だけど正しい日本の故郷を想起させる風景。子供の頃を思い出してじわっと来た

 

また同じ温泉で疲れを癒やす。日焼けで顔や腕がヒリヒリする。まだ4月だぜと思いながら今度から日焼け止めを装備一式に加えておこう。帰りしな、スーパーへ買い出し。首尾よく弁当とエビスビールのキング缶をゲット。木賃宿のロビーのテーブルでビールをグビグビっとやりながら弁当を広げる。もらってきた観光案内なんかに目を通しながら黙々と夕食。いきなりファファファミソファ♪とドラクエのレベルアップジングルがノー味噌内に鳴り響いた。俺の旅人としてのレベルが一つ上がった。やることないけどなんとか一時間ほど粘って20時に就寝。ホテルの機能に休息・滞在っていうのもあるんだなぁとしみじみと感じた

3日目、また自然と3時に目が覚めた。本来、絶景が見れなかった場合の予備日として準備していたのだが、昨日十二分に雄壮な白馬連峰を網膜と心に焼き付けたのでもう満足。無事に帰ろ。単線の大糸線では8時前と、12時の二本しか名古屋へ戻る列車がない。せっかくチャリで来ているから松本まで走ってみようと思いつく。Organic Mapでルート検索してみると意外なことに下り基調で快走できそうだ。安曇野も走ってみたいと思いながら準備を整え4時に出撃。あさの準備や荷造りに一時間は必要だな。

 

田舎の100番代の国道はここしか幹線道路がないから10トントラックやら、ダンプやら、老人の運転する軽トラやトラクターが混走し自転車乗りにとっては結構デスゾーンなんだけど、流石に朝の4時は俺様専用。ごきげんだわ。峠道は街灯がほとんどなくまっくらだが満月のお月さまに照らされた稜線をみながら進む。う~ん、割と幸せ。昼間は極力避けたいトンネル群が逆に明るく安全・安心な場所に変わるのが新たな発見だ。いや~、今度から難所は早朝に抜けるルート設定しようっと

 

 

1時間位で大町着。人口2万人くらいの小さな集落なのだが、長野県北アルプス地域でもっとも大きい街だわってのが白馬から自走してみたらわかる。今朝もピーカン。後立山連峰がバエる。折角だから鷹取山展望台まで朝飯前のヒルクライム。Tシャツ、短パンに着替え、メットはドイターアルパイン30のホルダーに固定して戦闘モードへ。距離3.6キロ獲得標高363メートルで平均勾配10%のなかなか激坂。静かな俺様専用山道をゼイゼイ言いながら小一時間かけて登り切る。標高1164mの山頂には展望台があり白馬から続く北アルプスの山々を一望できる。う~ん、サイコー!

 

 

下山し今朝初めてのコンビニで朝食、イマイチだったのでじっくり店を物色して初めてのカップ豚汁をいただいてみる。わっ、これいいわ。塩分補給にピッタリ。コンビニコーヒーはやめて、今度からコンビニ味噌汁にしよう。あとは安曇野を抜けて松本まで行くだけ、ルートは調べてきてないけどまぁなんとかなるだろ?と青い標識を頼りに進む。運良く北アルプスパノラマロードに乗る。高瀬川沿いで信号がほとんどなく超快走路。水田に映える稜線が美しい、我慢できなくなっちゃって記念に一枚写真に収めた

 

本来安曇野あたりで感動の田舎風景なんだろうけど、今朝白馬村からオノボリしてきたばかりの僕にとってはだんだん都会になってきたぜと感覚が逆になっているのが楽し。ゴールは折角だから国宝松本城。9時前は外国人観光客で天守への入場制限が発生している大人気コンテンツ。松本10:20発でいけば乗り換え一回ですむ。近くにベンチに座りのんびりと景色を眺めたり記念写真をとってあげたりして一時間ぐらい時間を潰す

 


30分前に駅に到着し、輪行準備。みどりの窓口で乗車券のみ購入。そしてビールとお昼のお弁当とお水を購入し1番ホームへ。一人エビスビールで乾杯。朝っぱらから駅のホームでビールを開けるおっさんは僕一人。朝の10時に一丁上がり、充実感でいっぱい、いい旅でございました

 

中津川行き2両編成のJR篠ノ井線は結構外国人観光客が乗車している。わざわざお越しいただきありがとうございます。まだ行ったことのない奈良井、妻籠・馬籠宿の南木曽木曽福島あたりの人気観光地で降りていった。僕は木曽谷の新緑の車窓を眺めながらお弁当を広げた

 

 

今回、旅人としてのレベルが確実に一つ上がった。ポイントをまとめておこう
○サイクリストは朝が勝負。8時過ぎには気温が上昇し熱い。10時半には終わるくらいの早めの時間設定が幸せ
○初日は移動日と割り切り、特急代を浮かし宿泊費に補填するほうがいいかな
○ドミトリーは使える。ただし長身長の俺では狭すぎて回復度85%くらい
○日の出二時間前に起床、一時間で準備・出撃が勝利パターン。サイクリストの朝は早い、道や観光地は空いているし、写真はバエル。日焼けもしない
○英軍ジャケットとジーンズは重たい。部屋着として持ってきたけど使わなかったNBのジャージをメインに変える
○地元のスーパーを確認しておく。食べたい地元グルメがなければ夕食はスーパーでもいいね
○日焼け止め、バケットハットを持っていこうGWとはいえ昼間は暑い
コンビニコーヒーやめて味噌汁にしよう
○文庫本は2冊でちょうどかな?今回は1冊半読んだ