銀輪日報

本と自転車旅とB級グルメ

ヴォルドフ村 ドイツ・ヘッセン州 (161215)

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胸で十字を切って献金箱に賽銭投げ込み拝み倒せば神の愛に恵まれ哀れな仔羊であるこの僕が犯した愚かな罪は赦される。これをカトリック教会が投資銀行よろしく証券化し売り捌いたものが贖宥状もしくは免罪符と呼ばれるものだ

 

そんないい加減なことでお前ら本当にそれでいいのか?幸せなのか?と生真面目ドイツ人マルティン・ルターが異を唱えたのが宗教改革であり現在の米英独北欧のゲルマン系国家で広まったプロテスタントの始まりだ

 

南欧およびその支配下にあった中南米諸国のラテン系は明るく楽しく旧教すなわちカトリック派として人生を謳歌し続ける

 

市場シェア拡大を続けるプロテスタント派に対抗すべく結成されたカトリック精鋭部隊が、シェア挽回を目論みはるばる日本までご出張いただいたイエズス会の皆様だ

 

その贖宥状証券バブルの崩壊の結果、リーマン・ショックが風邪ひいたくらいにしか感じないほどヤバすぎる事件が起こった。失われた30年、欧州各国をまきこんだ宗教紛争だ。ズバリ30年戦争ってやつ

 

新旧宗教紛争から始まったが、例によってわけわからん旧教国の俺様フランスが新教側で参戦とかいつもどおりグダグダ。いつのまにかブルボン家ハプスブルク家の対立軸にすり替わっていた

 

我が国の事例で言えば織田信長センセが本願寺とドンパチしていたのが気づいて見るといつの間にか徳川vs豊臣の覇権争いになっていたようなものだ

 

人類皆兄弟。やってることは大して変わらん

 

フランクフルト空港の南に位置する小さなヴォルドフ村は旧教国フランスでの迫害を逃れてきたフランス人プロテスタント派を多く受け入れてきた森に囲まれた小さな村だ

 

なにもない小さな村だが、飲んだくれて通りを歩いていたら見つけたショーウィンドウになにか惹かれるものがあった。未開の東洋から物見遊山にやってきた野蛮な異教徒の僕にもなんだか温かいものが伝わってきた。クリスマスってみんなが少しほっこりできる人類共通の素晴らしいイベントなんだなぁ