2019.11.24
バスタブ曲線について
僕の愛機はGPSmap60csx。2006年発売の名機、当時のフラッグシップモデルだ。当時は高い買い物で7万円くらいした。散々悩んで大枚はたいてゲット、10年ちかく使い倒している。単三乾電池駆動という有寿命部品であるバッテリーの普遍性が長期にわたる運用を可能にした。
しかし万物は有限寿命。つまり、いつかは壊れる。壊れたときに捨てるか修理するかの選択しかない。
近年の電子機器は、高密度実装化が進んでいる。パソコン雑誌とかテレビなんかで見たことあるかもしれない、緑色の板にICチップや細かい表面実装部品が所狭しと搭載されている電子基板と言われるものだ。
最先端の部品サイズは0201。すなわち長辺0.2mm、短辺0.1mmと文字通り人間のの手に負える代物ではない。
そのため多くの最新ガジェットは人間の手による修理対応を想定していない設計。故障したら使い捨て、もしくはモジュールごととっかえてしまうというのが最近のトレンドだ。ユーザーが必要な部品のみを交換し使い続けるということは難しい。
簡単に申し上げると壊れるのは時間の問題。
故障モード
物体は弾性範囲内であれば応力を取り除くことで元の状態になる。しかし原子レベルではごくまれに元の状態に戻らない転移という現象が発生する。それが蓄積されて疲労破壊に至るわけだ。
このように繰り返し応力をかけることにより、材料の疲労が蓄積し破壊に至る。しかしながら材料によっては、無限回繰り返しても破壊に至らないとされる繰り返し応力の下限値が存在する場合がある。それを疲労限度という。そのメカニズムは解明されていないが、鉄鋼材料は疲労限度を持ち、アルミは持たない。
そのためアルミフレームは繰り返し応力によりいつか破断してしまうのだ。
もう一つは熱疲労と呼ばれるものだ。熱疲労は、接合する素材の熱膨張係数の差異で生じる応力の繰り返しから発生する。具体的に言うと電子部品と基板(多くの場合はFR-4ガラスエポキシ基板)の熱膨張係数が異なるため、熱変化による膨張・収縮量に差が生じる。このひずみ(差)が構造上最も弱いハンダに繰り返しかかり最終的にはき裂破壊に至るというわけだ。
もう十分に使い倒してモトは取っているとはいえ、まだ稼働しているのに後継機種を購入して、机の引き出しの肥やしにするにはなんだか忍びない。また機械としては完成しており新たな購入に踏み切るような魅力のある新機能が付加されないのも事実だ。
ラバーコーティングは剥がれ、ボタンは擦り切れ、画面も傷が残る満身創痍の状態だが機械とはいえ長年一緒に旅を過ごしてきた相棒だ。道具として使い慣れ愛着も湧いてきている。
僕に必要なサイコンのパラメータとは
導入当初は計器パネルにリアルタイムに表示される各種パラメータに興味を惹かれデータ収集、記録に夢中になった。多分多くの少年が憧れる世界観だ。そして気づいてみるとなぜかいつも小さな液晶パネルの表示に目が行き必要もなく数字を追っている自分がいた。
そんなことよりも今過ごしているこの瞬間を、風を感じながら目の前を流れていくこの風景をもっと楽しむべきだ。僕がサイクリングで追い求める楽しみは定量的なものではなく定性的なものであるべきことに気づいた。
ログを残しネットにアップロードし統計処理に使われるのがせいぜいの無味乾燥なデータの蓄積よりも、どんなものを見てそして感じたかという記憶のほうが大切だ。
いつしかGPSの表示は極力簡素化し、ヒルクライムの一本道など必要のない場面ではハンドルから取り外してしまうようになった。その方がライドに集中できる。とはいえ、いつどこを走ったかという地理的なデータ収集については関心が残る。後日ログをグーグルアースで表示し安物のウイスキーを片手に一人ニヤニヤと振り返るのはなんとも言えない楽しみがある。
腕時計型のGPSウォッチでログを取るようになった。ランニング用のやつ。最新機種のForeathelete230Jは傑作機でバッテリー寿命が16時間。一日のライドが記録可能、万が一バッテリーが切れそうになっても計測を続けたまま充電ができるが、おそらくバッテリーの前に体力が切れてしまうのでほぼ問題ないだろう。
基本表示は時刻。そして走行距離と経過時間のみを切り替えて表示するというシンプルな設定に落ち着いた。これで僕には必要十分だとわかった。なれてくると僕の場合、観光や食事、休憩を入れてコミコミ15km/hで旅のプランを立てれば良いという目安ができてくる。120km走るのに8時間かかると考えて旅の計画がたてられるようになってくる。
あとは如何に迷わずに旅ができるかだ。不案内な土地ではナビゲーションがほしい。ポケットに入れておいたスマホアプリでもなんとかなる。しかしスマホの場合バッテリーの持ちが懸念事項だ。気温が低いと突然落ちてしまうこともあるし。この点、地図を表示しっぱなしにできるGPS専用機に分がある。
ナビゲーションに関しては、折角の休日、時間とお金をかけての見知らぬ土地への遠征。事前にサイクリングに最適化しかつ見どころも見逃さないようなルートを下調べして作ってトレースすること殆どであろう。僕は登山もやるから、しっかりと計画を先に作ってしまうタイプだ。GPS専用機をハンドルにマウントし常時マップを参照できるようにしたほうが安心感がある。
サイコンでは下記のパラメーターが取得可能だ
(青字は僕がいつも使っているもの)
参考例:キャットアイVELO9。有線のベストセラー機
・時速(現在、最大、平均)
・距離(トリップメーター、積算距離)
・CO2削減量
・カロリー消費量
・時間(時刻、経過時間)
上級機になるとさらに
・ケイデンス(別売りセンサー要)
・心拍数(別売りセンサー要)
GPS搭載機だと、さらに以下の機能が追加される例えばガーミンEdgeだと
・地図(現在位置、ルート、走行ログ)
・コースナビゲーション
・目的地までの距離、予想到達時間
・高度、勾配
・日の出、日の入り時刻(意外と重要)
・気温
・後方レーダー(別売りセンサー要)
・盗難アラーム
後はトレーニング系の機能が充実していく
・パワーメーター(別売りセンサー要)
・VO2Max
腕時計型のForeathelete230J (ランニング・バイク兼用、それぞれのモードが有る)
・時間(経過時間、ラップタイム)
・距離(トリップメーター)
・ペース(ランニングでキロ何分というやつ)
・スピード(現在、最高、平均)
・心拍数(別売りセンサー要)
・ケイデンス(別売りセンサー要)
・ピッチ(ランニングで一分あたりのステップ数)
・気温(別売りセンサー要)
・時刻(現在、日の出、日の入り)
・距離(トリップメーター)
・ペース(ランニングでキロ何分というやつ)
・スピード(現在、最高、平均)
・心拍数(別売りセンサー要)
・ケイデンス(別売りセンサー要)
・ピッチ(ランニングで一分あたりのステップ数)
・気温(別売りセンサー要)
・時刻(現在、日の出、日の入り)
現行モデルで候補になるのは、
ブルペ御用達のトレッキングナビeTrex30xラブリーな乾電池駆動。
最近32xとか新機種が出たようで価格下落中。PCとの接続はUSB。いまどきスマホと連動がないのは若干ダルい。
Foreathlete230J ログだけでいい人向き(ご近所ポタリングや自分の定番コースの時はお気軽に腕時計型のこれだけ持っていく)
(Bluetoothでデータ転送可能)
https://www.garmin.co.jp/products/intosports/foreathlete-230j-black/
Edge530 GPSサイコンのフラッグシップ機
(Bluetoothでデータ転送可能)
https://www.garmin.co.jp/products/intosports/edge-530/
どれにしようか悩ましいところだ。サイクリストならばそれ専用に設計されたEdgeなんだろう。僕に必要なパラメータは、時刻、経過時間、走行距離、地図と事前編集済みルート表示、目的地までの直線距離、高度、そして軌跡ログだけだ。そうするとeTrex30xで十分な感じもする。お店の検索はスマホでやるし、ルート表示メインなので安い英語版で十分だな。そうすると2万円を切る価格だ。旧モデル処分の今が買いどきなんだろうなぁ。まなんにせよ色々悩んでいるこの時期が一番楽しく幸せなときだなぁ。
応援いただき有難うございます!