銀輪日報

本と自転車旅とB級グルメ

北国街道歴史自転車散歩

デイワン・一乗谷朝倉氏遺跡


ズルして鯖江までドンコでリンコー。収穫の季節を迎えた越前平野を覆うイネのかほりでおなかがすくぜ。暑くもなく寒くもないサイコーの自転車日和にのんびりと朝倉街道へ。

途中、明智神社の案内に惹かれて寄ってみたが、畑のそばに小さな祠がポツンとあるだけ。由来書では、国を追われた明智光秀は朝倉家に仕え1562〜1567の5年間ここに家族と共に暮らした。1575年の織田信長軍の越前侵攻時に明智光秀柴田勝家に「昔俺この村にすんどったで、穏便に頼むわ」と神対応。後に本能寺の変のクーデター失敗で反逆者扱いされたがこの村人達はいまあるのは明智様のお陰だと三軒の農家で祠のなかに安置されている光秀の木像を密かに守り続けてきたという場所だ。立て看板に明智一家の住んだ所という案内はあるが往時の遺構があるわけでもなく、また朝倉氏の本拠地一乗谷から峠を越えて5キロも離れており「おまえ、蚊帳の外ね」って扱いが言われなくてもよくわかる。嫁さんは髪を売って旦那さんを支えたり、後日ブイブイ言わせて三日なりとも天下を取った光秀君の若かりし頃の試行錯誤の苦労が偲ばれた

 

 

朝倉街道の玄関口の峠を越え、一乗谷へ。その名の通り谷あいの街道沿いに一乗谷川が流れチャリで流すにはちょうどいい具合にこじんまりとした感じで割とステキ。でも当時としては有数の規模の都市で京都とも交流が深い文化的な街なんだって。単に当時の遺構が残っているだけかと思っていたが、重要文化財特別史跡特別名勝に指定された地味な名所で趣深い。330円支払い復原町並へ。おお、地味だけど多分考古学的に忠実に再現したんだろうな。なんか金沢の武家屋敷街に似てるよ。当たり前か。遺跡からは日本最古の将棋駒が見つかっており、現代にはない周りの8マスのうち真後への後退以外は1マス移動可能な「酔象」という駒があったんだって知らんかった。唐門、朝倉館跡、庭園をめぐりこじんまりとした規模感がステキ。朝倉5代、103年のオレ様キングダム、最後は敗死したとは言えそれなりに充実した人生だったんだろうな。ケッ。いわゆるリア充だろ?だからあんまり戦国武将ものはハマらないんだよねと思っていたら壁に義景公の辞世の句が。「七転八倒,四十年中,無他無自,四大本空」四十年間のたうち回って苦しい人生だったが、人も自分も関係なく全ては空しいものよ。なんか刺さった。ボンボンなりの苦労があったのか。ぐぐってみると義景公は文武の「文」が得意で軍事面は不得意だったみたい。人には得手不得手あるもんだけど、生まれた時代が悪かったんだなぁ。ちょっと気の毒

あまり期待していなかったけど意外といい場所だった

160万点の出土品を整理した一乗谷朝倉氏遺跡博物館が10月オープンなんだって、今度は桜の季節に来てみたいものだ

ここからは足羽川沿いのサイクリングコース。整備状態良く気持ちよか。福井市街が近づいてきてランチにするべと、名物ヨーロッパ軒のソースカツ丼と迷ったが、サイクリングランチとしては重たい。結局北陸のソウルフード8番ラーメン。看板メニューの8番セット、野菜ラーメンと餃子、あっさりオイシー。やっぱチャリにはラーメンだよね。水分、塩分、炭水化物を補給しカーボローディングばっちり。お勘定は1,111円。おっ。ゾロ目!とか思ったが、冷静に考えると物価高だよな。

福井市街を散策。観光コンテンツなし。北ノ庄城址と柴田神社に寄ってみた。滞在時間10分。他に行くところは?とりあえず福井城址へ。お堀に囲まれた立派な本丸の石垣にデカい通信アンテナが目立つ近代的な建物の県警本部がそびえたち風情なし。ま、でも地域の治安維持部隊の駐留拠点としての跡地利用という意味では理にかなっているよな。と妙に納得。その他特記事項なしで、市電が走り住むには良さそうなコンパクトシティというポジティブなとらえかたをした

午後は晴れてきて日差しが暑いが爽やかな晩夏の風が心地よい。サイクリングルートに戻りのんびり流す。九頭竜川沿いのルートにはいる。地元のローディーさんが気持ち良さそうにかっ飛ぶ。ちょっとうらやましい。シメは国宝丸岡城。小ぶり。登城はせずチャリで一周回って写真撮って終わりとした

 

 

 

 

 

 

ディツー・賤ヶ岳古戦場

 

余呉湖を一周。鏡のように静かな湖面に俺様専用周回路。これいいわ。余呉川を辿って賤ヶ岳リフトへ。往復900円のチケットを購入し観光リフトへ搭乗。7~8分程で標高362メートルまで登る。そこから300メートル尾根沿いを登り421メートルの賤ヶ岳の山頂へ。わお、ゼッケー。歴史は一瞬にしてどうでも良くなった。ぐったりと疲れた武将の像があったりするが、誰かわからん。賤ヶ岳の戦いの案内図から余呉湖を挟んで北に5万の軍勢を率いてきた柴田勝家軍を迎え撃つように木之本宿あたりに羽柴秀吉が布陣したようだ。なかなか壮観だったんだろうな。そんなことより爽やかな風が吹き抜ける賤ヶ岳山頂(421m)からの360°の眺めはサイコー!ほんと来てみてよかった。

 

 

ご当地グルメつるやパンへよって、定番のサラダパンと復刻版スマイルサンドをいただく。コッペパンにバタークリームとニセさくらんぼのような真っ赤なゼリーが挟んである。なんかチープだけど懐かしい味。どちらもサイクリングの補給食としてちょうどいい感じ。その後は琵琶湖岸道路にでて米原へ向かう。途中、湖北野鳥センターを発見。寄ってみた。最大60倍の望遠鏡が10数機設置されており設置されており職員さんが丁寧に手ほどきしてくれる。野鳥だけではなく、竹生島びわ湖テラスなど観光スポットも観察できる。10月中旬以降が本格シーズンなんだって。また来る!


 

 

その後は湖岸沿いのさざなみ街道を米原へ向かってひたすら漕ぐ。途中通学クロスバイクの二人組と自然とトレインを組んで快走。同カテゴリでペースセッターがいるとダレないね。楽しいわ。この木之本~米原間の30キロは走りやすくかつ飽きも来ず美味しいルートだな。もう少し距離がほしいので次は、メタセコイア並木のあるマキノから始めると60キロくらい。これくらいがちょうどいいかも。もしくは関ケ原から北国街道脇往還、木之本、さざなみ街道、米原。これでも60キロ。また来ようっと

 

 

 

 

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