銀輪日報

本と自転車旅とB級グルメ

有間峠を越えて

2018.06.30

 

「頑張れー。もう少しで峠でーす」すれ違う度にサイクリスト達に応援を受けた。いたよな、徒競走であれ校内マラソン大会であれダントツでビリの残念な奴。今朝の俺だ。応援を受けてみるとほぼ折れた心がもう少しだけと反応する。ありがてぇ。ただ回れ右して坂道を下れば苦しみから開放され楽になれるのだが、なぜかその決断への心理的抵抗がある

 

はっきり言って登り続けることに意味はない。ただ単にそこに坂があるから本能的に登る。ハムスターの回し車のようなもんだ。 まさか朝8時前に熱中症で大失速。目眩がするぜ。 そんなの百も承知と準備万端取り組んだのにこのザマだ情けねえ。体質的な問題なのか?

 

生物学者ベルクマンの法則によると寒冷地に生息する恒温動物は大型化する。大型動物であるオレは確かに寒さはヘッチャラだが暑さに弱い。なるほどオレは人一倍気をつけろということだ、体温を上げすぎないために意識的にコンビニや自販機で冷たい飲み物を購入しクールダウンする必要があるということだ

 

結局なんとか登りきり標高1142mの有間峠を踏んだ。そのまま木陰に倒れ込んだ。ときおり吹き上げてくる涼風で生き返る。アスファルトに仰向けに寝転がりボーッと空を見上げた。緑あふれる稜線の彼方、青空に夏の雲が流れていた

 

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あの稜線を超えて行くのだ

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