銀輪日報

本と自転車旅とB級グルメ

え~な恵那(坂折棚田と笠置山のピラミッド)

2020.05.24 58km +1505m

 

爽やかに乾いた涼しい朝だ。名古屋市内の車通りはほとんどなく、僕は駅へ向かった。10分もかからず梱包を終えがらがらのホームで電車を待った。僕を運んでくれる中津川行き始発の先頭車両には乗客がわずか二人。聞き慣れぬ停車駅名が旅情を掻き立てる

 

客待ちのタクシーが数台止まっている以外はほとんど利用客のいない恵那駅からは中野方川沿いに県道68号を北上。交通量はほとんどない。清流の流れる音と小鳥の鳴き声、そして僕の自転車のタイヤの走行音だけが静かに聞こえてくる

 

不動の滝に到着。道路からは目立たず危うく通り過ぎるところだった。道路沿いに鳥居があり沢沿いの参道を登る。途中水場へのアクセスがありキリリとした冷たい清流で手と顔をあらう。数十メートル進むと小さな神社がありその後ろに滝が落ちている。意外と地味だ。降り足を濡らして滝壺に降りた

 

SPDサンダルの利点がここにもあった。シューズだときれいな水場を見て終わりだが、サンダルだと気兼ねなくじゃぶじゃぶと足を濡らし涼むことができる。買ってよかった。ただ、濡れると足がサンダルに対して滑るので特に下り道は慎重に歩く必要がある

 

僕の他には誰もいないのでのんびりと30分ほど清流を楽しんだ。まぁ急ぐ旅でもなし、ゆっくりといこう


坂折棚田は、ちょうど田植えのシーズンだった。約半分ほどの水田が田植えを終え、今朝も田植え作業をしているところだった。田植えはゴールデンウィークがその時期かと思っていたが、ここは遅いのだろうか。水をなみなみと張った水田に笠置山が映える。きれいな空気に水量豊富な坂折川の流れとカエルの鳴き声がこだましている。非常に美しい田園風景にこれぞ日本の正しい風景!という感動を覚えた。僕は相応に年をとったのだろうか。坂折棚田がこの旅の主役になると思っていた

 

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sakaori-tanada.com

 

中野方(なかのほう)の町から笠置山(かさぎやま)の林道を登る。交通量ほとんどなく適度な斜度がつづく静かな山道だ。途中道端に「No.6 水を我らにと祈る」という表示に遭遇。なんだ?と見てみると杉林にピラミッド型の大岩、そして人為的な直線が刻み込まれているように見える。これがペトログラフか、古代史には全く興味がなかったが何かを主張するように存在するその岩に魅了された。ペトログラフなる言葉を初めて知った。世の中には知らないことばかりだ

 

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思わぬ邂逅にその場で30分は過ごしてしまった。ソロライドは自分の興味の赴くがままじっくりと時間を使えるのが利点だ

 

少ししてペトログラフ散策道についた。自転車をおり歩いてみた。延長250m程度だが結構時間がかかり10分弱歩いた気がする。その場所には大きな岩が並んでいる。自然にできたには人為的すぎる配置だが、人為的につくるには岩が大きすぎる。現代の重機でも無理じゃないの?古代の営みがこんな田舎の山中に残っているホント不思議空間だ

 

mysteryspot.main.jp

ruri87.blog18.fc2.com

 

その後は淡々と登る。眺望抜群だという物見岩まで舗装路が続いていた。標高1091m。結構登った。物見岩からは恵那峡や中津川、恵那の両市街地を見下ろせる。恵那山は残念ながら雲の中だ。中央・南アルプスや、富士山がみえるとのこと。収穫の秋に再訪しよう。そして次回は笠置山山頂アタックしパノラマ展望台からの景色を楽しみたい

 

www.kankou-ena.jp

ohemaga.com

 

恵那峡方面に向けて林道をくだる。車は来ないがブラインドコーナーが多く結構気を使う。ブレーキが過熱気味で効きが悪くなってきていてちょっと怖い。機械式ブレーキでは握力が必要で腕が疲れる

 

丁度いいところに一見千金展望台があった。眺望そのものは物見岩にはかなわないが、湧き水がありちょっと寄ってみるにちょうどよい場所だ。地元では夜景スポットとのことだ

 

yakei.jp

 

関西電力大井ダムを見学。1924年完成だと。述べ146万人を動員し、総工費1952万円(現在価値で3兆円)資金難を外債の発行で乗り越え地図を塗り替え100年残る事業を成し遂げるというのはロマンだなぁ。おたのしみのダムカードの配布は2013年に終了していた

 

damnet.or.jp

www.kepco.co.jp

日本円貨幣価値計算機

https://yaruzou.net/hprice/hprice-calc.html?amount=19520000&cy1=1924&cy2=2017

 

その後は恵那峡展望台に寄り、県立自然公園恵那峡へ。ここは一回行っておけばいいかな。街にもどり中山道46番目の宿場大井宿本陣跡で写真を撮った。外観は残っているが母屋は消失しており中の見学は出来なかった


恵那駅に戻るとちょうど14:31の電車が出発したところだった。輪行準備をし、観光案内所でパンフレットをいただく。なかなか力の入った編集で興味深い情報が満載だ。いつもおもうのだがネットに公開してほしい。事前に計画できるのになぁ。ま版権とかいろいろあんだろ。大河ドラマ主人公明智光秀公ゆかりの土地ということで力を入れていた。お土産コーナーには明智光秀飴や明智光秀ミネラルウォーターとか微笑ましい便乗商品がならんでいた。正直いまのところ時代劇は興味が持てない。よく考えたら織田信長を討ったので尾張から見れば敵じゃん。ま、おエライサンの権力闘争だろ?くらいの理解しかない。折角なので家に帰り大河ドラマを見てみたら浪人して子供に勉強を教えていた。一筋縄ではいかない苦労人なのかな?次回明智の里を訪問してみよう

 

15:01発の名古屋行きで家路についた。先頭車両はわずか6人。僕は電車に揺られのんびりと頂いたパンフレットを読み込みながら次回の構想をねった

 

輪行恵那駅→不動の滝→坂折棚田(正しい日本の風景)→ペトログラフ(マジツボった)古代からのメッセージに想いを馳せた→物見岩からのゼッケー(イルガガ、雨を我らにと祈る)→一見千金恵那展望台(湧き水サイコー!)→関西電力大井ダム発電所見学→恵那峡展望台→恵那峡大橋→岐阜県立自然公園恵那峡→大井宿本陣跡→恵那駅東美濃サイコー!

 

 

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美しい山村風景だなぁ

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不動滝

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