銀輪日報

本と自転車旅とB級グルメ

スミソニアン航空宇宙博物館別館 (190505)

 

 

一世一代のアメリカ旅行もいよいよ最終日。小雨が降る肌寒い朝だ。ランファンプラザ駅まで地下鉄に乗り、そこからメトロバス路線5Aに乗車した。乗客は数人で途中乗車もなく意外とスムーズに運行された。市内を抜けると高速道路にはいり大きな国防総省の建物が見えた。今まで何度も映像で見たが実物は初めてだ。アメリカに来たことを実感した。バスの窓から何度もシャッターを切ったが残すべき写真は取れなかった。

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ワシントンDC地下鉄。核攻撃もへっちゃらだぜ。
小一時間でダレス国際空港へ到着した。16:45発のUAサンフランシスコ便の搭乗手続きを済ませ荷物を預け少し身軽になった。案内所のおばあさんは丁寧にウドバーハジーセンターへの道順を案内してくれてぜひ楽しんでね。と感じの良い対応をしれくれた。Fairfax Connectorという専用バスで15分ほどでとうとう憧れのスミソニアン航空宇宙博物館別館に到着した。

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日曜の朝のスカスカ5Aバス
 
 
巨大なかまぼこ型の館内は面積71,000平方メートルと、東京ドームのグラウンド5.5倍の大きさだ。まず目玉の展示物の人類史に残るだろう広島への原子爆弾投下作戦を実行したB29エノラ・ゲイ号がどんと中央に鎮座していた。その巨大な銀色の翼の下に、晴嵐とか、紫電改、桜花などの日本軍機がひっそりと展示されている。敗戦国民としては若干複雑な感情はあるが気持ちは理解できた。

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人類史に残るB29エノラ・ゲイ
そして東西冷戦の傑作、ぶっ飛んだスペックを持つロッキード社謹製SR-71ブラックバードだ。高度25000mをマッハ3.3で敵国上空の成層圏を我が物顔にかっとぶ最速のジェット機。空気摩擦による熱膨張を考慮した設計で地上での待機時にはスキマから燃料が漏れ出してしまう。フライトスーツは与圧され素人目にはほとんど宇宙服だ。ぜったい男の夢の職業の一つだ。
館内の奥の方に、20世紀後半の米国の宇宙活動を支えたスペースシャトルの第三号機ディスカバリー号が展示されていた。その後ろには大きな星条旗。米国の威信が満ち溢れていた。

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耐熱パネルが剥がれ過酷なミッションを物語る

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ロケット野郎バカ一代、ブラウン博士のナチス時代の傑作、V2ロケット。1944年9月8日ナチスのV2ミサイルがロンドンを襲った。その日彼はこう言った『ロケットは完璧に動作したが、間違った惑星に着地した』。ロケット開発への情熱を持ち続け1969年7月20日、彼が開発指揮したサターンVロケットにより人類を月に送り込んだ。
【旅のメモ】
ワシントンDC市内から1時間半ほど。バスで片道$9.50 (空港まで$7.5+$2.0)。見学の所要時間は2~3時間。できれば、ダレス空港15時発以降の飛行機を予約しその日の朝イチで空港に向かいチェックインを済ませたあとの開門10時~見学というのが効率が良い。航空宇宙科学に特に思い入れなくても訪れる価値のある場所だ。入場は無料。寄付金は任意。