銀輪日報

本と自転車旅とB級グルメ

京は遠ても拾八里、鯖街道、針畑越え

Day1
外人はんようけ来てはりますぅ京都の街外れに無事見つけたぁ『鯖街道口、従是洛中』の石碑が鯖街道の終点やしぃ。こっからぁ18里先の若州小浜の起点めざすだけの簡単なお仕事ですなぁ。まずわぁ、鞍馬街道をがーゆうて登るんやぁ。旅の楽しみに、方言を味わうことも増えたぜ。日本語っておもろいなぁ。俺等は普段使うことのない尊敬の助動詞『~はる』は、やっぱ旅情を掻き立てる。言葉って味わい深いわ


叡山電鉄鞍馬線の終着駅の鞍馬でいきなり風情ある山門に出くわした。観光客もチラホラ。全く予定してなかったけど、折角だから寄ってみっか。途中ケーブルカーを発見、ここで足削りたくないし、乗っとこ。券売機で切符を買うと、御寄進票と印字されている。なんでなの?とおもいぐぐってみると税金対策なんだって、お寺に寄付した人だけがケーブルカーに乗れるという体裁。宗教活動への寄付だから無税なんだって。パチンコとかソープとか本音と建前の世界なんだね、よぉ出来とるわ。ついでにこの鞍馬山鋼索鉄道は日本一短い鉄道で営業キロはわずか0.191。いやー、棚ぼたラッキー。紅葉の美しい境内をブラブラしながら、なんやかんやで結局1時間ぐらい潰してしまった


鞍馬の集落を抜けると1.5車線の典型的な山道、まずは標高759mの花脊(はなせ)峠を目指す。路線バスがとおっており気を使うぜ。特に眺望は得られず淡々と上り詰めた。途中『花脊トンネル早期実現』の看板があり、いつもやだなぁと思いながらサッと通りすぎるトンネルは地元の人の思いがあってできるんだなぁ


そのさきは限界集落の山村が点在する山道、眺望は得られず淡々と進む。2番めの能見峠(653m)を超え、ガーッとダウンヒル。ぼーっとしてたら唯一の補給ポイントのレストランをいつの間にか見過ごしていた。いまから登り返すのめんどいし、見過ごすくらいだから営業してるかどうかわからん。ん~。おもったより時間がかかり13時半過ぎ、明るいうちに到着できるか心配だ。しょうがないのでもってきたパワーバー4本を一気食い600キロカロリーを補給。先を急ごう。


針畑川沿いに最後の上り、ええ感じの田舎道や。紅葉の広がる景色を愛でながらおにゅう峠に16:20着。やっば、ギリや。薄暗くなりつつある山道をびゃーと下る。グレーチングやら落ち葉やら結構ダルい。下りは下りなりに疲れるね。なんとか鯖街道起点へ17:30着、なんで街中の中途半端なところに起点があるんかと思ったら、鯖街道ミュージアムがあるわけね。


たまにはこういう田舎の和風旅館もいいなと思いながら投宿先で早々に寝落ち。よお寝れた

 


Day2


早朝から営業している魚河岸で朝食、何も考えず推しの刺身定食。ネタの鮮度にばらつきあり、書いてあるわけじゃないけど、小鯛とか、サザエとかプリプリの地元産と、サーモンとかヘナヘナの冷凍モンの食感が大きく異なることに気づいたのがいとおかし。店を出て、市場を歩いてみるとサバの串焼きがうまそー!でももう食えん。しまった、わざわざ鯖街道を通ってきて、本場の小浜に来とんのに刺身定食頼んでるなんてアホやわ、相変わらずミスった。今度から海産物は刺身定食はやめてなるべく地元の魚を食お
小浜の街を出て昔は有料道路だったらしい観光道路のオレンジラインに取り付く。ピーカンの青空に寒くも熱くもなくサイコーのサイクリング日和、昨日超えてきた高島トレイルや小浜の港を見下ろす絶景を堪能した


そして本日のメインディッシュ、若狭基幹林道。ずっと来たかったんだよな。ライトグラベルの最高のダート40%の延長22キロの林道。途中リアス海岸を見渡せる絶景ポイントも有り来てよかったよ。意外なことに誰もおらずバイク2台が追い越していっただけだ。途中鹿さんに遭遇、睨み合いの後吠えまくったら逃げてった


ダートで思ったより体力削られヘロヘロになりながら国道へ。脇道の廃道?発見。この道通れば嫌いなトンネル通らんでいいしこっちにしよ。と廃道を下る。無事国道までたどり着いたと思たら三方町が設置した防獣フェンスで通せんぼ、普通、ラッチを開けて通れるようになってるんだが、まさかのパッドロックが。おいおいおいおい。出られん。道の脇の案内板にも、どうしても通らんと行かんときだけ、ゲートを開けたあときちんと締めて通ってや。て書いてあるやん。5分ほどガチャガチャやってみるが突破は無理ゲーと判明。ま、俺も害獣みたいなもんやしな。当たらずといえども遠からずや、まぁええやろと素直に登り返す。これトンネルできる前の峠道ということに気づく。1時間ほどロスって峠の向こうのトンネルの入り口へ。世久見トンネル延長715m。3分。やっぱトンネル楽ちんやわ。


とかなんとかやってたらまた時間が厳しくなってきた。でも、あとは割と素敵な三方五湖を巡るゴコイチをこなし敦賀の街へ。ホテルにチェックイン後、荷物を整えスーパー銭湯へ。普段全く行かないけどサイクリングでクタクタの俺はチョー癒やされる。ジェットバス、気持ちいいわぁ。爽やかな夜風に吹かれ北陸民のソウルフード、8番ラーメンと生ビールで仕上げ。あっさりとした上品な味わいがカーボローディングにピッタリだ。大満足の一日だ

 


Day3


0624Hマキノ駅着。降車客はオレ一人。今日もええ感じの一日になりそうな予感。まずは湖西ナンバーワンインスタ映えスポット、メタセコイヤの並木路でカッペよろしく記念撮影。ええ写真撮れたわ。その後は交通量ほぼゼロのマキノ高原の田舎道を淡々と進む。首尾よく分岐を発見、通行止め等の表示はなし、黒河マキノ林道は結構な勾配、押したり漕いだりのんびりいこ、よくある峠みちで沢沿いに登っていく感じだ。ザクザクと落すち葉を踏み締め標高を稼いでいく、だんだんと紅葉が美しく染まっていく。大自然の中にぽつんと一人。まさにイントゥザワイルド、素敵な朝だ。


0840H峠付近へ到着、高島トレイルの案内板と避難所を見つける。高島市の市境、若狭国との国境の稜線を縦走するトレイルだ。一昨日越えてきたおにゅう峠もその一部だ。そして、琵琶湖と若狭湾分水嶺でもある。目指した黒河(くろこ)峠は少し切り通しになっており、生い茂る木々に阻まれ眺望はイマイチ。


準備を整えダウンヒル。ガレさん気味のミディアムグラベルで落車しないよう慎重に下る。シュワルベの耐パンクタイヤは滑りやすくポンコツ汎用クロスバイクでは若干もてあます荒さだ。フルサスペンションの高級MTBだとさぞかし、楽ちんだろうな。とはいえ、100%乗車可能で登り返しのない極めて上質なダブルトラック。楽しすぎてひゃっほぉ!と叫びながら森の中を駆け下りる。ポンコツバイクを乗りこなすのも楽しみの一つだよね


初めて取り付いたトレイルだが事前調査を念入りに行い、あえて輪行でマキノまで行きそこから、峠越えで敦賀に戻るというこだわりのコース設定が大当たりした。途中誰とも出会わず俺様専用トレイルだ


ふたたびチェーンの封鎖を越えた。Youtubeで予習しといた道だ。締まりの良いフラットで直線的な高速ライトグラベルでこれまたサイコー!


無事に降って敦賀の町外れに戻る、目の前には敦賀湾が見えてあとは下っていくだけ。楽しすぎて思わずガッツポーズしてしまった


まだ10時前だし、電車乗る前に着替えておきたいなと考えてたら、そうだ昨晩行ったスーパー銭湯行こ!と閃めく。朝っぱらから銭湯には思ったよりはそこそこのお客さま。でもガラガラ。ジェットバスに浸かって癒される。意外と湯船に浸かってられず100まで数えたらでよ。と頑張ってみる


そしてこの旅の締めは、敦賀ヨーロッパ軒のソースカツ丼。11時の開店ですでにたくさんの行列が、なんとか第一陣に間に合いすぐ着席できたが、30分以上待たされる大人気店だ。朝から生ビールでほろ酔い。お待ちかねのソースカツ丼は、ご飯に、とんかつ載せて、ウスターソース掛けただけ。ん~。スーパーの閉店間際のお惣菜コーナーでゲットした半額のアジフライにソースかけて食うのとあまり変わらん。ヨーロッパで6年修行した結果がこれか?ってきもするが、本店は7階建てのメルヘンチックなビルで「味のお城」と呼んでいるようだ。大したもんだわ。まごころと美味しさは北陸で2番がウリ、そのこころは一番はやっぱお母さんの味でしょって、薬缶のお茶といい昭和の洋食屋の良い雰囲気だわ


せっかくなんで気比神宮を参拝。由緒書で知ったのだが、北陸道総鎮守、越前一宮なんだね。敦賀っててっきり若狭地方かと思っとった。最後、敦賀港驛で記念撮影して港散策して敦賀駅へ。北陸新幹線開業でさぞかし沸いているのかと思いきや、駅前の表参道は9割が閉まっているシャッター街。ステキな街なんだけどな。またそれもよし
いつも安全マージンを20%ほど余力や時間を残したコース設定のつもりなんだが、今回はマージン使い切ってギリだな。最近あまりチャリ乗ってないし体力落ちた。鍛えなおさんといかんなぁ