厳冬期の出来町通りをマッハ4で巡航する。目指すはトヨタ産業技術記念館。1911年に完成した豊田自動織布のレンガ造りの工場の外観がなんかわくわくさせる。なんかデジャヴュ感があると思ったら富岡製糸場だ。自動車のイメージの会社だが日本の近代化を支えた繊維産業が出発点なんだ。可能であれば野麦峠ヒルクライムをこなしつつ連続して訪れたい博物館だ
繊維機械と自動車の2部構成の展示。動態保存がされていてガチャガチャ動かしてくれるので非常にわかりやすく好印象だ。なんか繊維機械の方は案内員がわんさかいて自然発生的にグループ解説が始まり一通り案内してくれる。例によってヒマな俺はグループ解説が終わったらまた上流にさかのぼりウロウロしながらじっくり展示物を愛でた
繊維産業とは製糸と製織の2つの作業に分かれる。製糸は綿を引っ張りながらねじっていくと強い糸になる簡単そうなお仕事。富岡製糸場でうら若き乙女たちが頑張って外貨を稼いでいた。製糸工程も実演してくれて俺のようなアホでもよく理解できました
日々夜なべしてバッタンつき高機で機織り仕事するおっかさんを楽させてあげようと、グループ創始者の豊田佐吉くん(当時23)は豊田式木製人力織機を発明した。ウリは片手で織物が織れ生産性が4~5割向上した。このシンプルな機械の仕組みを理解することが製織のポイントだ。要は交互に上下させた縦糸に横糸を通して織り込んでいくという仕組み。この仕組に糸が切れたら機械を止めたり、横糸を自動的に補給する機構を組み込んだのが「自動織機」と呼ばれるものだ。あと織りパターンをパンチカードでプログラミングしたジャッカード機構が興味深い。ある意味コンピュータだな
動態展示がされており機械を動かすことができる。そして内向的な僕にも積極的に声をかけていただき説明やギミックを教えてくれる。繊維機械って創意工夫のギミックの塊なんだ。ピタゴラスイッチ。出来上がった仕組みを後から理解するのは簡単だけど、最初に考え出すのは大変だろうなぁ。結局繊維機械の展示を2時間半かけて堪能した。たいへんよく理解できました
後半は自動車。自転車に組み付けるスミス・モーター製エンジン式補助輪をばらして解析するところからは歴史は始まった。僕はメルカリでさんざん値切ってゲットしたパーツをポンコツクロスバイクに組み付けて喜んでいるだけ。やっぱ天才って違うもんだなぁ
自動車の製造工程や設備にフォーカスしたまさに「産業技術」記念館を十分に楽しんで家路についた。名古屋名物、右折レーンの右、中央分離帯の向こう側に直進レーンがあるというユーザビリティガン無視の出来町通りをかっ飛ばしてスーパーヤマナカで安酒を購入し帰還した
厳冬期は無理せず自転車で博物館・科学館巡りをテーマにしようっと
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