銀輪日報

本と自転車旅とB級グルメ

ツアー・オブ・ジャパンいなべステージ&バトルフィールド・セキガハラ

秋の夜長に夜なべして仕上げた近代化改修でフロントシングル化した我がミュアウッドのフィールドテストに出かけたギア比はちょっと乙女側に寄せて34tx12/36tの山岳仕様。桑名までズルして輪行。そこからイナイチコースを北上した。長年つかってきたGarminGPSマップは売っぱらったのでハンドルバーはスッキリ。デジタルデトックス

 

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そのため五感を活用したナビゲーション、微妙に道間違えたり、行き止まりになったり、その都度スマホを取り出し現在位置を確認しながら進む。こういうのんびりライドが逆に新鮮。景色に集中できていいね。なんとなく右に左に蛇行しながら進む旧街道筋がわかるようになってきたよ。事前に引いてきたルートをたどるのは効率は良いけど、なんだか作業みたいな感じになってきたGPSバイスの小さな画面より周りをよく見ながら進む、地形も考慮にいれておおよそのルートを予測する。なんかいいぞ。

 

そんな感じで進んでいくと、えっ!?って今日はじめて止まって記念写真を撮った。小さな高札に『告。村の掟によりここの分岐水量の調節をすることを禁じます。』と警告メッセージが掲げられている。えっ?マジ?村の条例じゃなくて掟?なんかコワ。初めて生で見たよこんなの。21世紀の戦略物資である水資源は揉め事のもとなんだなと改めて思ふ。そして川崎の二ヶ領用水の円筒分水が改めて平和な水道行政に大切な設備なんだなと今思い知った。コネクティング・ドットってやつ

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村の掟じゃ!

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円筒分水。その重要性を今理解したよ!

 

 

交通量が少なく信号も殆どない快適なルートを進んでいく。まわりが山に囲まれていて、山梨とか信州のライドを思い出した。いいじゃん。TOJいなべステージのスタート地点いなべ梅公園から一周15.2キロの周回コースをたどってみた。序盤いきなしヒルクライム、距離900m高度89m、平均斜度9%、最大斜度17%と表示されている。おぉ、フィールドテストにうってつけ。スピードはともかくラクショーで攻略

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この周回コース沿いに案内板が設置されている親切設計。自転車レースのコースだけあって走りやすい。アプローチが遠いのがダルいがまた来たいなぁ。ガチローディーたちはなぜか逆周りがお作法のようだ。なんでだろ

 


そして伊勢街道を北上し、バトルフィールド・セキガハラへ向かう。今日のグルメは『天下茶屋』名前で決めた。国道沿いの定食屋って感じで古い建屋にテーブルとパイプ椅子がならび運ちゃんとか作業員がワシワシと定食をいただく場所。とんかつ定食を注文し+30円のご飯大盛りも頼んだ。


お腹いっぱいになって後はお楽しみの古戦場めぐり。東海道本線東海道新幹線に挟まれた旧中山道関ヶ原宿をまったり流す。国道21号は大型トラックやダンプがかっ飛んでいておっかねー。

 

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まずは桃配山の麓にある徳川家康最初陣地へよってみる。観光客が数組いる。ちょっと小高い場所で、4キロ先の西軍石田三成の陣地が望める。そして岡山烽火場へ。ここもバトルフィールドを見渡せる展望の良い場所だ。パネルに各武将の配置が解説されていておーってなる

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中央が関ヶ原記念館だ

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そして関ケ原町古戦場記念館へ。2020年に営業開始した立派なハコモノだ。美しいガラス張りの展示フロアに書状、甲冑、刀剣、絵巻物を中心とした展示、ほぼレプリカ。あとは関ヶ原の戦いの経緯や、合戦の時間推移など一通り理解できる内容だ。800円としては若干高めのコンテンツだが、わんさかいる案内員のおねーさんのバイト代や、立派なハコモノの償却費を考えるとそんなもんだろう。


新たな気付きは火縄銃とか、槍とか、大筒のレプリカを触れる。意外とチッさ。そういえば甲冑も小さいしと調べてみると徳川家康の身長は159cm。ほぼほぼ戦国時代の平均身長、みんな小さいんだな。中学生くらい?


付け焼き刃で関ヶ原の戦いを理解したところによると豊臣秀吉の死後、徳川家康が権力掌握を画策しごちゃごちゃ勝手に振る舞い始める。小さな頃より秀吉に仕えた石田三成がこいつうっぜ。と対立が深まっていく。家康が上杉討伐のために東北出張に見せかけた陽動作戦に引っかかり石田三成は挙兵。よっしゃボケが引っかかったと家康は軍を反転、西へ。三成は交通の要衝である総勢8万くらい寄せ集めて要衝関ヶ原に陣取り迎え撃つ。家康の軍勢は7万。合計15万人が4キロの距離でにらみ合う。ただ西軍は寄せ集めらしく、様子見(英語解説ではNeutral)裏切り(Turncoatっていうんだ)が多くガチで戦ったやつが損する構図。何となく分かる。真面目に戦って死んだり怪我したりするのはやだし、寒くなってきたからはよ家帰りたいよって感じ

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決戦地から三成勢の陣地を望む

三成勢は必勝の布陣にそれなりに奮戦したようだが衆寡敵せず半日で敗戦。逃亡を図った。やっぱ日本社会は正面切って正義を振りかざすよりネチネチ根回しと裏の根回しが重要っていうわかりやすい事例だ。ま、日本に限らんけど

 

なんか俺んちと一緒な家紋がひるがえっていて、俺は現代の極貧小作農だけど、ご先祖様はこの天下分け目の戦いに参加したのか?とおもったら大谷吉継の家紋だった。全然カンケーねえじゃんとがっかりしながらも家紋が同じって親近感だよね。

 

その後は田んぼの真中の決戦地と笹尾山の石田三成の陣を訪問。観光客が結構いた。村の人達はこんなド田舎に15万人も押し寄せて戦争されてえらい迷惑だったに違いない。陣の目の前300メートルほど先が決戦地。そんなの銃弾の雨あられで追い払えそうだが、当時の銃の射程距離は100メートル。しょぼ。

 

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小早川秀秋のコスプレをした娘さんがわかりやすく一生懸命解説してくれて高感度高し。その後は、島津義弘の陣地を訪問し、誰も訪れるものがいなかった大谷吉継のお墓をお参りして今日はシメた。いがいと面白かった。戦国武将そのものにはほぼ思い入れがないが、当時の街道、城、陣地、軍事行動そのものをチャリで追体験するというのはなかなか理解が深まって面白い。歴史自転車散歩というのを新たなテーマに加えよう

 

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旅のアルバム

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ビバ!SDGs

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岡山狼煙火場と家康本陣方面。その先が大垣

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三成本陣、必勝の構えだったが

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関ヶ原は交通の要衝なんだな

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