随分昔2007年の写真を見つけた。ネットを使いながら記憶をたどっていくとフラフラと訪れた旧サイゴンで見どころないなぁと思いながらまぁ寄ってみようと訪問したベトナム戦争証跡博物館の写真だ
当時僕は写真にも歴史にも興味ないノーテンキな日々をただプラプラと無為に過ごしていたウブなガキんちょ。クソ暑くコンクリート打ちっぱなしでガタガタのベトナムの街路を調子に乗ってバイクタクシーで流した
詳しいことは忘れてしまったが、エージェントオレンジ、枯葉剤の影響で奇形で生まれたホルマリン漬けの赤ちゃんや、ピューリッツァー賞を受賞した有名な写真が展示されていたことを覚えている
1966年沢田教一「安全への逃避」
From Wikimedia Commons
1969年エドワード・アダムス「サイゴンでの処刑」
From Wikimedia Commons
1973年フィン・コン・ウト「戦争の恐怖」
From Wikimedia Commons
生々しい展示に息を呑みさすがに気分が沈んだ。戦争は絶対なくならないから兵隊同士でドンパチしてくれ、命を張ったプロ同士の戦いそれならいい。ただ一般市民や女性、子供を巻き添えるのは絶対反対という価値観がここで目覚めたはずだ
当時撮った写真を14年後見返すとは思っても見なかったが、印象的な写真は好奇心を引きつける素晴らしい媒体だ。その場でシャッターを切った写真家の思いやその場面に至るストーリーというのに興味を惹かれ始めた。そしてその写真を見かえ返さなければ記憶の奥底にずっと埋もれたままだったかもしれない
記憶が正しければ、その博物館の入り口に格調高いアメリカ合衆国独立宣言の一節が誇らしげに掲げられていた。米国国務省アメリカンセンタージャパンのサイトではこうある
Quote
We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness.
われわれは、以下の事実を自明のことと信じる。すなわち、すべての人間は生まれながらにして平等で あり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられているということ。
Unquote
ベトナム人腕力だけじゃなく知力でもなかなかやるなぁと思ったことを覚えている。ググってみたが現在でもこの掲示があるのかどうか、そもそもそんな展示があったのかどうか分からなかった。今度また現地に行って確かめてみよう。新たな発見もあるはずだ
