銀輪日報

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パルマ・デ・マヨルカ国際空港D83登場口 (180608)

中央ヨーロッパ標準時16:30過ぎ、とうとう諸言語で記載された苦情連絡先と遅延・欠航の補償内容の説明書が配布されはじめた。バルセロナ行きフランス航空4835便は定刻から3時間過ぎたがなんらキチンとした状況説明はない。足止めを喰らった大勢の旅客は搭乗口に集まり地上職員に詰め寄った。私は辛抱強く待ち続けた。長い一日になりそうだ。

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デイ・セブン、快晴。流石に飽きてきた。かき集めてきた食材に大量のトマトをぶち込み焼くなり煮るなり好きなように調理するとスペイン料理の一丁上がりだ。なにを注文してもトマトが入っている。そして甘ったるくて胃に重たいデザートとパンチの効いたショートエスプレッソで夜の10時過ぎにちんたら長い夕食をシメる。そんなのよりも化学調味料がビシッと効いた焼き飯をササっとかき込みたい。そんな妄想をしながら、豪華ではあるがもう飽き飽きしてきたホテルの朝食をとった。折角の快晴だ。朝っぱらから太陽光溢れる青空に映える街並みをカメラに収めておこうと宿を出た。

『メグストイレアカテドラアル。インティエンデ?』と記憶の奥底に残渣のようにへばりついていた単語をなんとか並べて勇気を振り絞って流しのタクシーのオヤジに必死こいて聞いてみると、オーケイ、わかった。と母音のはっきりしたスペイン語訛りの英語でサクッと返されてしまった。大学生時代マロト先生の熱血指導を受けたにもかかわらず我ながら不甲斐なさにガッカリだ。まぁ運転手にしてみりゃ、朝っぱらから中国人のオッさん拾ってみれば短距離乗車のハズれ客だし愛想振りまくのもメンドくさいよなと忖度しサンキューとお礼を述べ後は黙り込んだ。

 

海浜公園をトボトボ歩き出すと対して飲んでないが質の悪い安酒による二日酔いのせいで頭がズキズキ痛い。数時間前、目をギラつかせたドイツの不良少年少女が何千人もたむろするプラヤデパルマ地区のメガパークで透明な樹脂製のマグに並々と注がれた最低品質のラムコークを煽っていた。牧歌的な本国では見たこともない人口密度の高い空間に若え集の熱気とビートサウンドに合わせドイツ語の歌声が溢れんばかりに充満していた。そのあとドイツの実効支配下にある海岸通りをプラプラし午前3時過ぎゲルマン民族の長い夜は終わりに近づき流れ解散となった。私はそのままベッドに倒れこんだ。夜明け前に目が覚め冷たいシャワーを浴びインスタントコーヒーを啜った。

 

市中心部は狭い路地が迷路のように入り組んでいる。私はあてもなく適当に散策した。プラタナスの街路樹が並ぶ狭い古い石畳の小径に南欧産の小型車が一列に路駐。あとは物乞いとホームレス、昨晩食べ残したピザやらビール瓶を適当に散らかしておく。そしてご多分に漏れずションベン臭い。ラテン国家らしい街並みだ。強力な太陽光線の割には風はカラッと爽やかに心地よく病んだ心が癒やされていく。

 

ホテルに戻ってロビーをふらついているとドイツ人同僚にばったり出くわしビールを飲みに行くことにした。世話になったお礼にビールとハンバーガーの昼飯をおごり、再開を約束した。通りに並べたテーブルで冷たいビールを煽りながら、通り過ぎる人々をボーッと眺めているだけでも楽しいもんだ。


14:00ちょっと前に空港へ向かい、遅延している定刻13:30分発のバルセロナ行きシャトル便に乗ることになった。15:00時過ぎ搭乗手続きが開始され建物の地上階におり航空機材への連絡バスを待ったが、やっぱ離陸は中止お前ら戻れと皆トボトボと退却を始めた。その後正式なアナウンスなく乗客のいらだちは高まっていく。

 

南国、ラテン諸国家においてこういう場合、悪いのは搭乗ゲートで顧客対応に明け暮れる地上職員でもなく、段取りグダグダの航空会社でもなく、その場に居合わせたヌケ作の私なのだ。ブチ切れたとしてもメンドくさそうに通り一遍の対応を受けるだけで状況が改善させることは一切ない。辛抱強く自分の番が回ってくるのを待ち、『大変なことは分かっているけど乗継便があるのでなんとかならない?』と下手から丁寧に2~3回聞いてみる。進展のないまま搭乗カウンターあたりで状況をよく観察するが何がどうなるか全くわからない。マロト先生の授業を真剣に聞いておくんだったと後悔が走った。16:30過ぎブチ切れて文句を言うモンスター客に向け、欧州諸言語で記載された苦情連絡先と遅延・欠航補償に関する文書が配布され始めた。もう地上職員も投げ始めたのか。万事休す。とはいえ当面そこにいるしかないのであてもなく待った。

 

いつの間にかカタルニア少年少女合唱団による賛美歌の合唱が始まった。美しい歌声に皆心を打たれていた。そうこうしているうちに再び搭乗ゲートが開き、無事に航空機に乗り込めた。しかしまたグダグダと30分以上動かない。そしてようやく18h08。定刻から4時間半以上遅れて短距離路線のベストセラー、エンブラエル190型機は24番滑走路を離陸し急角度で上昇を始めた。

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