銀輪日報

本と自転車旅とB級グルメ

ミウライチ完全版!

2018.04.26 103.1km

 

「皇国興廃在此一戦」僕がつくる新しい歴史教科書には、後世に伝うべきこの名言を序文に刻む。冗長な説明は無用だ

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記念館三笠・カッコいいなぁ

季節問わず楽しめる南関東のサイクルツーリズムの聖地、三浦半島スカ線横須賀駅発着がおすすめコースらしいが、僕は小田急派なので片瀬江ノ島駅発だ。実際こちらのほうがミウライチ+江ノ島+鎌倉とまとめて楽しめる。江ノ島まで戻ってもいいし、逗子駅をゴールとしてもいい

 

tabi-rin.com

 

いつも混み合う海岸線の134号を進み、神奈川県道34号横須賀逗子線を田浦へ向かう。そして別名湘南妙義、標高139mの鷹取山を目指す。坂道を駆け上り10分ほどで取付きに着く。チャリンコをがっつり地球ロックし登頂開始。すぐに密林に埋もれる直角の岩肌の数々が、原住民の神殿のような雰囲気を醸し出す。カーツ大佐の王国のようだ。タリバンの爆破を逃れた岩仏。機銃掃射の跡のように穴が残る垂直の岩壁。クライマーの聖地。独特の雰囲気に感動。こんないい場所知らなかった。さっそく僕様専用ミシュランガイドに星を7つ刻む

 

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16号を南下しヴェルニー公園へ。合衆国海軍横須賀基地イージス艦が停泊。本土防衛頑張ってくれ。思いやり予算は弾んでやるからな。しかしデカイ。施設も大きい。海軍つうのは設備産業なんだなぁとしみじみ感じる。ひと通り写真を撮り納め、すき家でまぜのっけ朝食を補給

 

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泣く子も黙る世界最強の第7艦隊の旗艦空母ロナルド・レーガン様だ

 

三笠公園。記念艦三笠を背景に東郷平八郎聯合艦隊司令長官の銅像。そのとなりには皇国興廃在此一戦の銘版。旭日旗が青空にはためく。威風堂々。僕も自然と気合が入る

 

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僕の人生いつも崖っぷちもう後がないぜ。Z旗はためかせいつも背水の陣だ

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そのまま横須賀海岸通りを南下、道の両側及び中央分離帯に植えられた椰子の木の並木道。異国の雰囲気が漂う。赤信号で一息をついているといきなり右舷に気配を感じる。とっさに警戒レベルをシグナルオレンジに引き上げる

 

振り向いてみるとイケメン南蛮人がさわやかに微笑む。かっこいいなお前、でも僕になんか用?と、多少ぎこちなくかつ無粋に微笑み返す。南蛮人曰く「ハイ!」でた。これがアイスブレーキンか、食ったことはないが聞いたことはあるぞ。こういう場合はどう対応すればいいんだ?頭の中を高速インデックス検索。あったあったこれだこれ。久しぶりに記憶の奥底から引っ張りだす英語科教本ニューホライズン。早速ひもといてみる。おおこれだ、基本構文、アイ・アム・ア・ペン。これで何とか乗り切ろう。じゃあ僕もためらいがちに「ハイ...」と返す。南蛮人「いい天気だ。どこいくの?」。僕「マイバイク、ニュー。ミー、ハッピー。だからヤマへ行く。」と西を指さす。南蛮人「僕は海岸線を伝って鎌倉まで」。僕「オーケー」。・・・いかん会話が途切れた。居心地の悪い沈黙。・・・信号が青に変わる。救われたように南蛮人曰く「じゃあね。良い一日を」と颯爽と風の中に消えていく。おれも助かった。警戒レベルをグリーンに引き下げ通常運行に戻る

 

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観音崎公園を小一時間散策。観音崎灯台は1866年に発効された不平等条約の要求事項により建設されたことを知る。こんな灯台しょぼすぎて見えんのか?と思うが、当時は最新のナビゲーション機器だったのだろう。砲台跡や弾薬庫など太平洋戦争当時の遺構も残る

 

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浦賀の渡しで渡し船に乗ってみる。大井川とか多摩川のように渡し船がないと困ってしまうということは地形的には全くなく。ちょっと1kmくらい海岸線を遠回りすれば陸路で向こう岸につける。意味あんのか?と思いながら由来板を読んでみると1733年には操業が確認された結構由緒ある交通手段。10人が乗れば満員になるようなポリカーボネート製の船に乗り込む。自転車もちゃんと持ち込めるようになっている。乗客は僕しかおらず貸切状態。営業距離は250mくらいで、3分もかからず向こう岸につく。料金大人150円。自転車50円。計200円を料金箱に放り込みおじさんにお礼を行って下船。営業時間を確認すると、朝7時~夕方6時まで。おじさんのお昼休みと思われる12~13時は運休というまったりとした営業内容だ

 

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久里浜市街を抜け、尻こすり坂通りへ。なんでこんなゆるい坂を尻こすって越えるんだ?このへんの人たちはだらしがないのか?しかも登山技術の基礎の基礎は、3点確保。尻こすってる場合じゃない。まぁ、碑があるようだからそこまで行ってみる。多摩丘陵の方がよっぽど急坂。こんなのヨユーだぜと思いながら到着。碑文を読んでみる。 「明白了!」いきなり頭の中を北京語でポップアップ

 

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一気に長年の疑問が解決。尻をこすらないために、1884年。地域のみんな3万人を動員してバイパス工事化したのか。だからいまは尻こすり坂というなまえだが、尻はこすらなくて良いと。 スッキリとした気分で、三浦丘陵最高峰、大楠山を目指す。阿部倉温泉を抜け、横横道路を越える。葉山国際カンツリー倶楽部の脇道を抜け、山頂へ。山頂には展望塔があり、360°の眺望を楽しめる。遠くはランドマークタワーまでが見渡せる。有効視界10マイル。西の方角は、富士山や箱根外輪山はおろか、湘南平すら見えず、ようやく江ノ島が視界に入る。まぁ、湿度の関係で有効視界範囲が落ちる、夏が近いということだろう。大楠山の下りはダート。アドレナリンを噴出しながら、プチダウンヒルを楽しむ

 

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長者ヶ崎でちょっと撮影後、一気に稲村ヶ崎。ここからの眺望はいつみても素晴らしい。今日も飽きずにお決まりの定点観測。相模湾に浮かぶ江ノ島。弓なりに続く湘南海岸。今日は富士山及び箱根外輪山は不在だが、狙い過ぎのような美しい構図。ここは冬場のほうが空気が済んでおり浮世絵のような構図の写真が取れる

 

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冬の稲村ヶ崎美しい国ニッポン!


正しい日本の風景。神の見えざる手は、需要と供給のバランスをとりながら、自然・芸術の領域においてもその才能を遺憾なく発揮する。まさに万能。お決まりの構図で何枚か写を撮り納めておく。 もう今日の旅の終わりは近い。小田急片瀬江ノ島駅へ向かう。これまた定番中の定番。江ノ電鎌倉高校駅前で、飽きずに写真撮影。なぜか何度来ても、そのたびに色んな物を被写体としてお決まりの構図で写真を撮りたくなってしまう魅力ある背景。僕はここには縁もゆかりもないのだが、何故か懐かしい。鎌倉市及び江ノ電の観光誘致戦略にどっぷり引っかかっているような気がするが今日は許す。 歴史、眺望、登山、ダート、自然、海岸線、江ノ電。高品位な旅の構成要素を湘南の風と光、そして小鳥のさえずりが爽やかに心地よい。上質な初夏の休日。高密度な自転車の旅。 天気晴朗なれども波高し。その旅の終わりには、やっぱりシメのヱビスビール

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