2020.05.21
使い古した愛機パナソニックLumix TZ60にホコリが侵入、写真に映り込むようになってしまったので分解メンテをした
高倍率光学ズームはコンデジ唯一の差別化訴求ポイント
スマホに押され風前の灯火となってしまったコンデジ業界。スマホに出来ない唯一の差別化訴求ポイントは高倍率光学ズームだな。光学機器の設計上こればかりは仕方ない。薄さも重要なスマホには高倍率光学ズームレンズを組み込めないからね。んで、ダセー外付けレンズになるわけ。こういうやつ
簡単に言うと高倍率を目指すと顕微鏡のようにどうしてもレンズ筐体の長さが必要なのと一緒
ちなみにハヅキルーペ(今どうなってんだ?)の倍率は1.3~1.8倍。iPhoneの光学ズームで2倍だからほぼ同じ
高倍率ズームレンズをカメラに組み込んでみるとこうなる。バカでかい望遠鏡のおまけにカメラが付いている状態
これじゃチャリンコ旅には持っていけないよね
高倍率光学ズームは、豆粒センサー搭載のコンデジの得意分野だ。具体的に言うと僕のTZ60のセンサーは1/2.3型。わかりやすく言うとたったの6.2x4.6mm。だいたいふっくら美味しく炊き上げたコシヒカリと同じだ。取り込める光が少なくなるので画質が悪くなるが、機器全体が小型化できる恩恵に与れる
ロングセラーTZシリーズ
パナソニックTZシリーズは2006年の初号機の発売からリニューアルを重ね今なお新作が続いているロングセラーだ。製品企画が良かったんだろうな。実際旅の相棒カメラとして非常にいいぞ!
TZシリーズの良い点
- ポケットに入る大きさ
- 内蔵レンズによる30倍光学ズーム(構図の自由度が上がる、といっても実用ズーム域は~15倍かな。倍率上げすぎるとぼやける)
- GPSによる撮影位置記録(しかしこの機能は削除されてしまった)
TZシリーズのいまいちな点
- 鏡筒にホコリが入り写真に映り込む(旅のカメラというアウトドアでの使用が多い機種ではあるが防塵性が弱い)
僕はTZ60という機種を買った結構お気に入りで持ち歩いていたがだんだんスマホでいいやとなりつつある
この望遠レンズをズームする毎に鏡筒が伸縮し空気が出入りする。運が悪ければ内部にホコリが入り込む。もっと運が悪いとセンサー部にくっついたりして写真に映り込むようになる
通常はメーカーに修理に出すのだが、購入から5年以上経ち流石に1万円近いメンテ料金を出すのが惜しくなってきた。だったら自分でやってみるしかない
TZ60分解メンテ
結構使い込んでボロボロ。この手の精密電子機器は中国の工場でうら若き女工さんによって組立てられている。組立てやすくないと娘さんたちはこんな仕事やってられないとさっさやめちゃうし、保守修理そして製品廃棄時の環境負荷を考えつつ細心の注意を払って組立て分解しやすい製品設計をする必要がある。いわゆるモノづくりってやつ。面倒くさいよね。そうすると機能毎にモジュール化してしまう無難なサラリーマン的設計になっちゃう。生産工場ではモジュールを組み付け、故障時はそのままモジュール全とっかえみたいな経済効率優先の製品設計。技術者ならトンガッたブッチギリにすげえやつを考えたくなるけど、それをやるとサラリーマンがつとまらない。つらいなぁ
そんな感じなので僕のようなド素人でもやってみれば分解と再組み立てくらいは可能な場合が多い。さすがにサービスマニュアル類はネットに落ちてないので慎重に行う必要があるね。そうしないと分解して組立てたらなんか部品が余る。よくあること
分解と組み立てのコツは?
- 良く外観観察しネジの位置や構造を確認
- ひと手順ごと写真を取る
- 分解した部品はトレーにおく
これの繰り返し、組立てはこの逆
まずは裏カバーを外した。ネジの場所を観察してね
慎重にLCD部を持ち上げ裏を確認。なんかおおきな銅板のプレート。ノイズ対策なのかなぁ。指紋が残っているぞ。サービスマンのしごと雑だなぁ。でた、中央に3つの星型のトルクスネジ。トルクスドライバー持ってないよ意地悪だなぁ
まあでも行けるところまで行ってみよう。銅板を外すとこんな感じ。トルクスネジを緩めれば多分センサーが見えてくるはずだ。今日はここまでにしておいて100円ショップで物色したけど見つからなかったのであきらめ楽天でトルクスドライバーをポチった
数日後到着これだ!
透明なビニール袋に入っているだけのエコな梱包。メーカー名も型番もないバルク品のような感じだ。中国のバッタ屋で10元(150円)ってとこかな。見た目はコンパクトでなかなか素敵だぞ
怒涛の精密ドライバー25点セット
トルクスドライバー : T2 T3 T4 T5 T6 T7 T8 T9 T10 T15
+型プラスドライバー : 1.0mm 1.2mm 1.5mm 2.0mm 3.0mm
-型マイナスドライバー : 1.0mm 1.5mm 2.0mm 3.0mm
☆型ドライバー : 0.8mm 1.2mm
△型ドライバー : 2.3mm
Y型ドライバー : 2.0mm
●型 : 0.8mm
ドライバーソケット : 1本
これだけあれば困ることは少ないだろう。680円也。商品説明にはこうある『当商品は日常使う仕様にはなっておりません、特に特殊形状のドライバーを使う目的でのご購入はおすすめできません、ドライバーの精度の問題での交換、返品、キャンセル等は出来ませんので、ご了承下さい』つまり品質は絶対保証しません!と最初から開き直っているぞ。いいのか?ま正直でヨロシ
まぁでもか弱い乙女が組立てた製品を分解するのに馬鹿ジカラは不要だ。多少精度が悪くてもだましだまし使えるだろう。本来僕のようなヲタは道具に凝るのが習性だがお金がないので我慢しよう
でT2トルクスドライバーでサクッと御開帳。ブロアでシュッシュッとやってホコリを飛ばす。で組み立て直しパシャリとやるとホコリの映り込みは消えミッション・コンプリート
あっ、メンテ前後の比較用の写真がないのでどう改善したのかがわからないや
もうコンデジは卒業?
今のカメラは壊れるまで使い倒すが次はスマホだな。光学ズーム7.8倍、IP68の防水防塵性能を誇る。できればiPhoneが出てくるまで持てばよいが。名機TZシリーズは歴史の波に飲み込まれていくんだろうな