銀輪日報

本と自転車旅とB級グルメ

禁断の犬越路林道

2014.04.07 77.1km 

 

新松田~神奈川県道76号線~国道413号線~橋本

 

 

天地の営みは、人々の優先順位決定に大きな影響力を持つ。今日はたまたま別件で有給を取得済み。しかし、本日の天気予報快晴、降水確率0%、と知るや自問自答。今日が人生最後の一日だとしたら何をしたいか。迷わずヤマに行く。たまには自分の好きなように決断しよう。

  

春先の標高950m越えの本格山岳ステージ、いつになく準備を慎重に行う。ドイターの30リットルのザックに、雨具、ファーストエイドキット、エマージェンシーシート、ヘッドライド、ライター、エスビットなどハイキング装備を突っ込んでおく。ハイドレーションシステムは1.5リットルでいいだろう。単独行のためGPSのルーティングをしっかり行っておく。

  

コンビニで朝食用に菓子パン2個、甘いパックコーヒ500ml、行動食用におにぎり2個、烏龍茶、ナッツとチョコを買っておく。非常食用にでチョコとビスケットも買っておく。当然個別包装は捨てておき、持参のビニール袋に詰め直す。

  

5時49分登戸発、急行小田原行きの先頭車両を占拠。下り故か余裕で座れる。本厚木を過ぎると日本の正しい風景が視界に転がり込んでくる。ところどころで観測可能な富士山が大きい。快晴の空に映える。鉄オタ成分を増加させ、運転台越しに何枚か写真をとっておく。6時48分新松田駅到着。意外と乗降客が多い。折角だから駅名票を撮影しておく。

   

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改札を出ると、和食、マニラ食堂がどうしても目に入ってくる。このロックンロールな食堂を背景に是非記念撮影をしておきたいと、輪行袋を開梱し自転車を組み立てながら横目で状況確認を怠らない。しかし、クルマの乗車待ち合わせ場所になっているようでスキが見当たらなかった。仕方ないので、遠景のみ撮影しておく。

 

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和食マニラ食堂、ぜひその味を堪能してみたい

 

新松田から谷峨まで基本は246号。このへんだと交通量もマイルドでぎりぎり走る気がする。40分ほど走り、清水橋交差点着、ここを右折すると本日のメインコース76号を北上できる。河内川沿いに粛々と標高を稼ぎながら20分ほどで丹沢湖三保ダム(1974年~)着。スペック表を確認しておく。高さ95mのロックフィルダム。機能は水源確保、治水、水力発電。ダム頂標高325m。ダムの下流側の傾斜は緑に覆われ、環境に調和している。中川温泉までは地元の軽自動車が走っていた。ぶなの湯をすぎるともう車の往来はない。

 

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246と酒匂川

 

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美しく映える丹沢湖

 

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丹沢名物箒杉

  

約30分で箒杉着、推定樹齢2000年。この木が発芽した頃、キリスト様は中学生。西洋ではローマ帝国、東洋では後漢、日本では弥生時代。雷にも撃たれず、何回かあったであろう富士山の噴火をよくたえぬいたもんだと感心。西丹沢自然教室着、思ったより車が止まっている。ウロウロして情報を収集、昨日の情報だが大室山山頂積雪30cm。谷筋に残雪。まぁ、大したことないだろうと高をくくる。

  

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9時過ぎに例の山岳ステージの取り付きに到着。標高800mを越えるとさすがに北面の谷筋に積雪が残るなぁ、とキコキコ自転車漕いでいるといきなり落車。痛えマジ2~3分動けねえ。状況確認を行ってみると、路面の凍結によりいきなりグリップを失い転倒。幸いなことに怪我、車体へのダメージなし。何事も無く本当に良かった。10時前に例の隧道前へ到着。手前に富士見橋なるものあり、名前の通り富士山が美しい。東屋は崩壊している。よく観察すると、新しい焚き火の残骸およびゴミが残り誰かが野営したものと思われる。こんなところですごいなぁ。

 

ここで行動食のおにぎり、ナッツとチョコを補給。下りに備え、ウインドブレーカーを着こむ。目が慣れないくらいトンネル内を慎重に進む。意外と路面状態は良い。トンネルを抜けると、そこは絶景が広がる。正面左手には大室山、見下ろせば、神ノ川渓谷。奥には道志山系。すばらしい、後は慎重に下れば12時には橋本へ戻れるだろうと目論む。

 

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北丹沢はそれほど甘くない、押し・カツギで乗り越えなければならない雪渓がいたるところに残る。29erでフレームXLはカツギには重すぎる。一体何キロあるんだ?。ゲートまでの8.7kmに70分を要す。

 

一箇所本格的な雪渓。幅30メートル。よく観察するに雪崩の危険はないが、滑落すると100mは流されそう。慎重に一歩一歩を刻んで進む。シマノのマウンテンバイク用SPDシューズで来たことに感謝しながら、ハイキングステッキを一本ザックにさしておけばと後悔する。こういう場所での単独行は心細いが、ガーミン製の高性能GPSが現在地を±5mの精度で教えてくれるので慰めにはなる。

 

 

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ところどころ、キジが落石を発生させるので上方にも注意が必要。雪渓は標高600m付近まで観測された。おそらく政令指定都市で最も困難な道であろう。正直、想定の範囲外の困難さであるが、これくらいの雪渓やガレ場は経験済みのため、時間さえかければ無事に下山できるという自信は揺るがない。でもカロリー収支は大幅にマイナス。腹が減ってきた。でも非常食には手を付けないのがマナー。

 

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舗装路まで降りてくると、春の陽気につつまれた山里風景が心地よい。下り基調の道志みちを橋本方面へ向かう。途中コンビニでマヨネーズこてこて唐揚げ弁当を主食に1500kcal以上補給し一息つく。津久井までは車も少なく快調にかっ飛ぶ。実用巡航速度30~35km/h。津久井から先はまぁ、いつもの感じ、京王線頑張って津久井まで延伸しろよと願う。湖畔は桜が満開。そのまま神奈中バスを抜きつ抜かれつ413号を橋本駅まで。1時過ぎに到着。

 

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道志みちをのんびりと流す


 

メンドクサイから橋本から輪行で帰宅。タイオガの輪行袋は大きくて使いやすい。梱包・開梱それぞれ10分以内に完了できる。タイヤを前後外すので正しい使い方ではないが、良い買い物だった。77.1km。6時間強。ダート成分7%。ただし押し担ぎがほとんど。

 

西丹沢ビジターセンター

http://www.kanagawa-park.or.jp/tanzawavc/index.html