2019.09.28 147.1km
穏やかな朝だ。ギアを軽めにのんびりと僕のココロの本籍地、檜原村を目指した。
来週は檜原ヒルクライムレースのためかこころなしかガチローディーが多い。僕はマイペースで村役場の三叉路の信号へ向かった。左折すれば風張峠、ギリギリまで迷ったが意外と天気良く今日はなんとなく右折して通好みの大ダワ経由で奥多摩へアプローチ。
折角なので久しぶりに檜原村一番の観光ポイント払沢の滝へ立ち寄ってみた。駐車場にデポして約15分、マイナスイオンの充満する沢沿いに歩みをすすめる。涼しげな透明感あふれる流れの先に水量豊かな滝が見えてきた。美しい景観に爽やかな空気。僕は思わず深呼吸した。そして沢の流れで顔を洗いさっぱりした。なんと気持ちいいんだ。立ち寄ってみてホントよかった。僕以外に観光客はおらず俺様専用名瀑をゆっくりと十分に堪能した。このまま帰っても満足な感じだ。
北秋川沿いの都道205号を遡上する。今日も交通情報のLED表示機に「野生動物に注意」との警告が表示される平和なのんびりとした田舎道だ。
真っ直ぐ行くときのこセンター経由で風張林道の激坂、そして風張峠というこれまた激坂マニア向けのルートなのだが僕は神戸岩3kmという表示につられ右折した。多摩川水系神戸川沿いの静かな道を登っていく。神戸川は北秋川に、北秋川は秋川に、秋川は多摩川に合流する。神戸川はひ孫の立場なのだ。小さい流れだが美しく力強い。
神戸園キャンプ場を通りすぎる度に今度のんびり泊まりに来たいと思うが、日常に戻ると忘れてしまい未だこれていないあこがれの場所だ。神戸岩(かのといわ)で定番の構図で写真に納め少し散策後、短いが途中で曲がっており出口が見えない若干恐ろしい漆黒のトンネルを抜けて鋸山林道のヒルクライムに取り付いた。
沢沿いの静かな林道を淡々と登っていく。気温はちょうどよく暑くも寒くもない、空が近づいてきた。横田空域を横切るジェット機の飛行音が聞こえてくる。これを聞くと大体標高700mくらい。登ったなぁ。一気に登りきるつもりだったが、途中でいきなり眺望がひらけ遥か彼方に白いガードレールが見えて心が折れた。ここで記念写真を取りバナナで燃料補給した。
東京都の公式発表によると鋸山林道のスペックは延長13307m、幅員3.6m、最急勾配12%、最小半径10m、最高標高海抜994mと結構キツイというか本家の風張峠より登りがいがあるぜ。
大ダワを越え奥多摩への下りは結構荒れており気を使う。まじマウンテンバイクで良かったと思うくらいバンピーかつ小石が多く耐パンクタイヤでないと安心できない。北斜面ということもありランニング用の速乾性Tシャツじゃちょっと寒いと今シーズン初めて感じた。下りはウインドブレーカーが必要な季節になってきた。
青梅街道までたどり着き久しぶりに来たので奥多摩むかし道に向かった。渓谷沿いの旧青梅街道で散策路だ。つり橋があったり短距離だがライトグラベルのダート区間、廃線跡やシングルトレイルありでなかなか楽しいコースだ。電動自転車かりてのんびり散策する恋人たちに若干嫉妬を覚えた。楽しそうでいいなぁ。調べてみると一日2500~5000円でそれなりのチャリが借りれる。彼女とのんびり楽しむのなら、こういうのもありだな。ま、でも一人だと輪行でいいや。
まだまだ時間があったので日原街道に寄ってみるが結構きつく足が削れていく。若干後悔しつつも結局12kmの道のりを300mほど登り返し走り通した。せっかくだから鍾乳洞を探索することにした。入場料は800円。この手の施設としては高額な部類だがその価値はある。
ひんやりとした洞窟内はきちんと照明、通路とも整備されており美しい地下景観を楽しめる。そしていつにない光景にちょっと探検気分が味わえる。濡れた通路にSPDシューズは気を使って歩く必要がある。そして頭上注意の箇所が多くできればジャングルハットで頭を保護すると安心だ。
30分ほど地下空間を楽しみ帰る支度をした。ここから先は下り基調で楽ちんだ。青梅街道で定番の白丸魚道によってみた。ダムカードを頂戴し、先を急いだ。吉野街道の台湾料理やでランチにした。お腹いっぱいで食べ過ぎ自転車を漕ぐのがかったるくなった。しかしパワーは回復。失った塩分と水分の補給と、麺でカーボローディングできるラーメンという食べ物はサイクリストにとってなんと機能的な食べ物なんだろうと改めて感動した。
そして奥多摩街道経由で見慣れた多摩サイに戻る。多摩サイ名物向かい風に煽られ足とココロを削られながらフラフラと家路についた。
※最新の大本営発表では鋸山林道は令和元年11月29日まで森林伐採・搬出作業のため全面通行止め、諸兄姉におかれましては注意されたし。仕事熱心な林業関係者といえども日曜日は休みっぽい。土曜日は盛大にチェーンソーの音を谷間に響かせていた。