2019.11.02 121km +2883m
刈り入れが終わり静かに冬の到来を待つ農村地帯の夜明けを始発電車が駆け抜けて行く。
耳慣れない停車駅が旅情を掻き立てる。iPodのライブラリからニュー・シネマ・パラダイスを選曲した。美しくも何故か物悲しい旋律が心に染みる。僕は最近疲れているのだろうか。
7:29高崎駅到着。今シーズン一番のサイクリング日和だ。まずは高崎市役所榛名支所を目指す。まあまあ走りやすいルート選択に成功した。ハルヒルスタート地点の標識で記念撮影。
思いがけず直ぐ本格的な登坂が始まる。斜度の変化は少なく淡々と標高を稼いで行く。榛名川沿いに森の中を登るコース。眺望は開けない。その分ストイックに登りに集中できる。途中、初心者ルートの終わりまでのキロ数表示があり、次に神社コースの案内標識があり励みになる。
案外いいペースで余裕があったので榛名神社によってみた。よくある神社だろ?程度にしか思っていなかったがこれがアタリ、渓谷沿いの山道を登り、特徴的な奇岩聳える岩山に調和した神社がある。
頂上につくと榛名湖というカルデラ湖がある。雰囲気は芦ノ湖だ。高級リゾート地。あらかじめ調べておいたが現地ではすっかり忘れてしまったスペックでは、標高1084m。登りが907m。高崎駅から30km。ダレずに集中できる程よい良コースだ。高崎駅から榛名神社の観光込みで大体3時間。
計画通りのペースだ。サイクリストの習性としてとりあえず反時計回りに湖を一周してみる。そして高崎方面へのダウンヒル。快適だ。そういえば豆腐屋のハチロクでドリフトかますような峠道がないんだけどどこなんだろう。
12時過ぎに予定しておいたラーメン屋に到着。あまりお腹空いていなかったがとりあえずカーボローディングしておこう。これが後から考えると正解だった。
群馬県道6号を東に進み、県道4号の交差点でヒルクライムにはいる。道が狭く交通量が多い。そしてトラックも走る。まだ津久井道の方がマシなくらい。
榛名からハシゴする場合は、伊香保経由で国道353から4号へアプローチするのが良いかもしれないが要調査だ。
斜度5~10%程度の単調な坂道を淡々と上り詰めていく。二本目になると流石に疲労でペースが落ちる。途中ホント休憩場所がない。唯一、箕嶺(みりょう)という蕎麦屋のまえに自動販売機とベンチがあり休憩できる。是非GPSにマーキングしておくといい。
23kmの登りに3時間くらいかかった。標高が高い分紅葉が進んでいる。太陽が傾いてきて心理的に時間との戦いが始まった。今日は敗退ラインを設定していないが、とりあえず16時に頂上につかなければ撤退を決意した。
疲労もあるしクソ寒い暗闇の中しょぼいライトで20kmを超えるダウンヒルをこなす余裕はない。明るいうちに市街地に降りないと大変だ。15時半前に頂上の赤城山総合観光案内所に到着、時間的にギリギリだがカルデラ湖の大沼を一周した。時間が押しているので赤城神社参拝は見送った。特徴的な良い写真スポットがなく、とりいそぎ数枚写真を撮ってみたのみ。
観光案内所へ戻り、ウインドブレーカーを着込んでダウンヒルの準備をした。16:20ダウンヒル開始。もう夕暮れなのにまだ登ってくる人がいて驚いた。でも僕の技量だと撤退ラインをキチンとキメておかないとアブナイのでこれでいいのだ。
帰りは市街地に入り再び渋滞に巻き込まれるも45分程度で前橋駅に到着。今までならビールでシメだが、寒すぎるのでコンビニコーヒ。美味しい。17:41前橋発の両毛線で高崎へ向かった。17:59高崎発、上野東京ライン沼津行きで帰路についた。
ずっと前から行こうと思っていた山域を攻略し満足のライドだった。素晴らしいヒルクライムコースで一度は挑戦してみるべきだ。
唐突だが僕はホームのヤビツ峠の素晴らしさを再認識した。眺望、難易度、距離、交通量どれも一流のルートだ。ホームコースの有り難さを認識したライドでもあった。
※榛名を目指すには高崎駅から良い。安中駅のほうが6km程度実走距離は短くなるが、乗り換えや時間を考えるとほとんどメリットがない。
応援いただき有難うございます